私のところにご相談にいらっしゃる方で、老後のお金を心配しているというのは年代を問わずとても多いです。
年金はどれくらいもらえるのかとか、年金はこれから減ってくるのではないかとか、思わぬ病気や介護になったらなど、老後のお金の心配というのは年代が上がるにつれて深刻なものになっているようです。
そんな老後の不安を減らすために、これまではコツコツ貯金をしたり個人年金をかけるぐらいしかしていなかったけれど、ここから投資というのを考え始めているという人も多いかもしれません。
でも、間違った投資をしてしまうと、せっかくここまで貯めてきた大切な資産とか今の収入を大きく減らしてしまうということも起こりかねません。
お金のことは、知らなかったでは済まされない大きなリスクが潜んでいることもあります。
今日は投資でやりがちな6つの失敗というのをランキング形式でお伝えしていきます。
これから投資を始めたいとか、始めたばかりで不安・・・。
そんな時はこの動画を最後まで見ていただいて、安心できる投資との付き合い方を考えていきましょう。
動画で見るかたはこちらから。文字で見たいときはこのままお進みください。
50代以上の投資で大切なこと
最近は若い人も積極的に投資をしていますが、50代以降の投資というのは若い人と同じ投資でいいとは限りません。
「どのくらいの値動きがあって平気か」というリスク許容度が若い人とは大きく変わることが多いからです。
20代、30代だったら多少失敗してお金を減らしてしまうことがあったとしても、まだそこからやり直す時間があります。
でも50代、60代では失敗を取り戻す時間そのものが20代30代とは違ってきます。
リスクを取りすぎて大きく減らしてしまうと、老後の生活に影響が出る可能性があります。
だからこそ50代以降の投資というのは、大きく増やすことより守るということが大切なのです。
では、お金を守るためにもやってはいけないことを見ていきましょう。
第6位:パートナーに内緒で投資をすること
これは年代問わずですが、自分は投資をしようと思っているのに夫や妻が投資否定派で「そんな危ないものには手を出すもんじゃない」と言って聞かないということもあったりします。
自分に十分な経験があって、その投資の理屈を説明したりリスクコントロールについてちゃんと話せればいいですが、上手に説明できなかったり、説明しても聞いてもらえなかったりすることもあります。
だからと言って内緒で投資をするとトラブルの元です。
投資するお金が完全に自分名義のものならいいですが、自分名義の貯金ではなくて夫のお給料から貯めた夫の名義のお金だったりしたら、それが消費ではなくて投資だったとしても黙ってやってはいけません。
また仮に自分のお金だったとしても、投資をしていることとかどこの証券会社でやっているかというのを家族が知らないままだと、急に自分に万が一のことがあった時とや、認知症になった時などに困ってしまいます。
話し合って、自分のお金であったとしても最低限、情報共有をすることを心がけましょう。
第5位:一点集中投資
投資初心者は分散投資が基本です。
個別の株式のように「ここは絶対上がる」と信じて財産の多くを1箇所に投じてしまうというのはとても危険です。
もちろん投資経験があって、全体の資産配分の方針がもう自分の中にしっかり持てているんだったらこの限りではありません。
ただ、先ほども言った通り年齢とリスク許容というのは関係があります。
国内、海外などの株式とか債券、必要ならば不動産や金、もちろん預金なども踏まえて分散して資産を保有しておくということで、リスクを抑えることができます。
なくなってしまったとしても生活に影響のない金額ならまだしも、老後の不安を減らすために投資するんだとしたら、「どこか1箇所にかけていいお金がある」という人はそんなにいないのだ、ということを心に留めておきましょう。
第4位:行き当たりばったりの投資
これだけ世の中がNISAと投資ブームと言ってもいいほどの状況だと「もうやらないと損だろう」みたいな気持ちになるということもあります。
特にここ10年ぐらいは、自分に実力がなくても、何も考えずただ積み立て投資をしていたら増えた人がほとんどでした。
だから「投資は貯金より増えるらしいよ」と言って投資を始めてしまうという人も結構多いのです。
みんなやっているからと言って行き当たりばったりで始めるというのは本当に危険です。
私が言うのもどうかと思いますが、YouTubeなどでも投資に関する動画を見ない日がないぐらいですね。
NISAの投資ならともかく、その動画の中には怪しいものもたくさん紛れているのです。
これに飛びついてしまうと大きな損をするということもあります。
実際に、仮想通貨がちょっとブームになった時に、何も分からないのに「良さそうだ」と思って飛びついて後で大きく減らしてしまって、さらには税金の取り扱いも知らずに困って相談に来たという方がいらっしゃいました。
投資のハードルが下がってきた今だからこそ、投資を始める前に必ず目的などを設定して、しっかりした計画を立ててから始めるということが大切です。
第3位:家計管理を怠って投資だけすること
どうやっても老後のお金が足りなそうだからと、家計管理がしっかりできていないにも関わらず投資をしようとすると、それだけで精神的にも金銭的にも投資の継続が難しくて失敗につながりやすくなるのですね。
投資は長期で考えたら資産を増やすための味方になることも多いですが、簡単にお金を増やしてくれるような魔法でも何でもありません。
今の家計が把握できていなかったり、明らかに収支が整ってもいないのにも関わらず投資で一発逆転を狙ったり、収入の赤字を補おうとするのはもう大間違いです。そもそも今お金がないんだったら収入を増やすのが先ということです。
50代を過ぎてくると「もう50代だから」とか「体力 がなくてしんどくて」とおっしゃる方よくいるんですが、これを理由にするんだったらこれから悪くなる一方です。
投資のリターンで生活費の不足を補うことができるのは、そもそもここまでにかなり資産を築いてきた方だけです。
もしそうじゃないんだったら、まずは働いた収入の中で暮らして家計の黒字を増やすという原理原則を守っていきましょう。
第2位:退職金を継ぎ込んでの投資
『投資はまとまったお金がないといけない』という気持ちがどこかにあったり、家計から毎月コンスタントに積み立てられる金額がそんなに多くないケースもあります。
そんなとき、退職金というまとまったお金が入ってきたら「これだけの金額を元にできたら・・・」と期待する気持ちも湧いてくるというものです。
全く退職金に手をつけずとも済む家計ならともかく、多くのご家庭はそうはいかないことがほとんどだと思います。
投資に回したら(投資先にもよりますが)必ず短期でその投資した元本を上回るとは限りません。
また、投資ではないですが、退職金を狙った詐欺や怪しい事業への勧誘というのもまだまだ多いです。
大きな金額が手元に入ってくるとつい舞い上がってしまいがちです。
なので、「とりあえず半年は何もしないで置いておく」というような期間をちゃんと自分の中で設けてクールダウンしましょう。
冷静に計画を立ててから、退職金を有効活用できる方法を考えるようにしましょう。
第1位:よくわからないもの、勧誘されたものに手を出す
「なんかよくわかんないけど、話を聞いている限りいいような気がする」
これが大きな落とし穴ということです。
もう明らかに怪しい反社の人のような人が勧誘に来たら誰だってわかります。
ですが、そうではなく、説明も丁寧でその時は納得して決めた気がするものです。
あとから不安になって相談に来る方は「では、投資したものがどういうものなのか、ちょっと私に説明してみてください」と言うと、ほぼ何にも分かっていなかったりします。
- 誰かに任せているのか、それとも自分でやっているのかもよく分からないような投資
- 手数料がものすごく高いファンドラップ
- (最近は金融庁なども結構注意喚起していましたが)複雑な仕組債
- そこまでではなくても高コストのアクティブファンド
また、投資とはちょっと違いますが、複雑な内容の保険や為替リスクが大きい外貨建て保険などもそういうものかもしれませんね。
残念ながら「現役世代にはできないけど50代60代だからできます」というような、うまい話はありません。
そんなにいい話だったらもうきっとどこのYouTubeでも勧めまくっているはずです。
どこに投資しようとしているのか、自分が誰かに説明することができないぐらいの理解度だったら、まだそこにお金を投じてしまうというのは時期尚早ということです。
地に足を付けて、早く始める
結局、ギャンブルのようなものに手を出さない限り一攫千金というのを狙うことはできいものです。
つまらないし地味だけれど、投資の基本はやっぱり長期・積み立て・分散から。
一度にたくさん増やせなかったとしても50代からの投資というのは大きな意味があります。
増やすより守るという観点からも、失敗を防ぎながら投資の一歩をぜひ踏み出してみてください。
投資より前の家計の整理や、どういう風に投資を始めたらいいか知りたいときは、直接ご相談ください。