子どもが小学校入ると転校が大変だから、それまでには住宅購入をしたい。老後が心配だから家を買いたい。こんな低金利で借りられる今がチャンス。賃貸か購入か・・・・そんな声が聞こえてきます。
住む場所、間取り、マンションか戸建てか・・・色々気になることはあると思いますが、何といっても「お金」の問題が一番ですね。
よく「アパートの家賃と同じ額で戸建てが買える」と言われて、賃貸か住宅購入かを悩む方は多いですが、実はこれには大きな落とし穴があります。
戸建てにはローン以外にも費用が掛かります。ローン+3万円/月程度のコストがかかると考えておくほうがいいでしょう。
1:固定資産税
賃貸と最も違うのは、不動産を所有すると固定資産税がかかることです。
固定資産税は「不動産の価値×税率」で決まることになっていますが、実は計算は少々複雑。場所や広さ、家のスペックによって「価値」の額が変わってくるからです。新築や性能のいい家は新築から一定期間安くなるなどの措置もあります。
金額の幅はありますが、一般住宅の場合年間10万~15万円の中に納まることが多いようです。
(地価の高い土地、広い土地、建物が高い場合などはさらにかかります)
2:修繕費
戸建ての場合特に気を付けていただきたいのがこの部分です。マンションは修繕管理費といった名目で家賃とは別に徴収されることが多いですが、戸建ての場合はこれがありません。自分で積極的に積み立てていかないと後々困ることの多いコストです。
修繕にかかるお金も、家のサイズや機能によって幅はありますが、10年~15年の間に屋根や壁のメンテナンスで大きなお金が必要になります。足場を組んでの修繕になるため、修繕を小出しにするとその都度足場を組むための余計なコストがかかります。一度にまとめてせざるを得ないゆえに、まとまった費用が掛かることを知っておきましょう。
こちらも修繕内容によって金額は様々ですが、まずは10年で180万円をめやすに家の修繕のためのお金を準備していきましょう。
木造家屋などは5年程度でシロアリ予防のための費用が掛かることもあるので、家を建てたときにどのようになっているか確認しておくことも大事です。
ハウスメーカーや工務店などで、修繕(費用)計画などを作ってくれる場合もあります。新築時に確認しておけるとより安心ですね。
3:火災・地震保険
火災保険は賃貸でも加入を勧められることが多いので支払っているケースもありますが、賃貸の場合は更新の都度払いが多いです。
それに対し、戸建ての火災保険は長い期間の契約で加入することで割引が効くので、多くの方が10年などの長期で加入します。その分一度に払う保険料が高くなりますので、事前に積み立てるなどして備えましょう。
2015年までは、35年などの長期の契約が可能だったため新築時に加入して35年は支払いがない方がほとんどでしたが、ルール変更により最長で10年までしか掛けることができなくなりました。10年に一度はまとまった保険料が必要になります。
4:その他メンテナンス・自治会費等
キッチンやお風呂のトラブル・ドアなど小さな不具合なども賃貸の場合には管理会社に電話一本で済むことがほとんどですが、戸建ての場合はすべて自分でケアしていかなければいけません。
また、金額は小さいですが、自治会費や子供がいると子供会費が強制の地域があったりします。住んだことのない地域に購入する場合、心配ならあらかじめ調べておくといいかもしれません。
番外編:会社の住居手当なども気を付けて
注意していただきたいのは、賃貸の場合会社から「住宅手当」などが支給されている場合です。持ち家になった場合は手当てが打ち切りになることが多いですね。住宅手当がなくなって、さらに戸建てのローン&維持コストが増えた状態でも長期のライフプランが成り立つよう計画ができているかチェックが必要です。
住宅比率を変えたくなければ家賃-3万円程度のローンに収める
賃貸か購入かという論争がありますが、それに答えはありません。どちらにもメリットがありデメリットがあるからです。
今回は賃貸に住んでいた人が戸建てを購入する際に「ローン以外に係る金額の目安」をお知らせしました。賃貸の時と住宅費の比率を変えたくなければ、家賃-3万円程度のローンの返済金額に収めてみてください。
そうすると、必然的に「返せる額」が決まってきます。その予算で希望する家が購入できるか・長い期間のライフプランが成り立つかどうかによって「賃貸か購入か」を検討しやすくなるのではないでしょうか。