起業して「税金を納める」というと、確定申告の時を想像することが多いのではないでしょうか。
めでたく利益が出た場合、3月15日まで確定申告を行い税金を納めます。そこで納める税金の種類は「所得税」です。
この記事では、所得税の基本とどこをみれば自分の所得税率がわかるのか。
自分の所得税率の調べ方を給与の場合と確定申告書の場合で見てみましょう。
所得税の基本
所得税
納める相手:国(国税)→自分の管轄の税務署
納める期限:確定申告期限 3/15
計算のもと:課税所得
納める金額:課税所得に対し5~45%
所得税は税率が一律ではなく、階段式になっています。
税金がかけられる元(課税所得)が大きいと、税率も高くなっています。
所得の多い人ほど税金を多く払う「累進課税」というルールなのですね。
また、所得税は「源泉所得税」と「申告所得税」という言葉が出てきます。どちらも同じ所得税ですが、例えば給料や報酬からあらかじめひかれてある所得税のことを「源泉所得税」といいます。
それに対し、自分で計算して納める所得税を「申告所得税」といったりします。なにか(給料・報酬・利子・配当)からあらかじめ引かれるのが「源泉所得税」なんですね。
どちらも同じ所得税なので細かくは気にする必要はありませんが、言葉だけは知っておくと混乱しにくいかもしれません。
所得税の税率表
階段式になっている所得税を表で表したものがこちらです。
5%から45%とかなり差がありますね。
例えば課税所得が600万円の人は上から3段目。20%のところになります。
でも実は、600万円すべてが20%かかるわけではないのです。
600万えんのうち、195万円までの分は5%、196万円~330万円の分は10%。そしてそれ以上の部分だけが20%の税率がかかります。まず600万すべてに20%をかけて(B)の控除額を引くと、簡単に計算できるようになっているのです。
控除額って何だろうと思ったら、段階ごとの税率を調整するための、決められた数字だと思っておけば十分です。
ちなみに、私は所得税率33%までの人しか今まで出会ったことがありません(笑)
どこを見れば自分の税率がわかる?
どこかに「あなたは〇%です」と書いてくれればいいのですが、不思議とどこにも書かれていないのです。
ですが、見る場所さえ分かってしまえばあとは、所得税率の表と照らし合わせるだけ。
給与の場合と確定申告書の場合とそれぞれ見てみましょう。
給与:源泉徴収票の場合
この図の青色の部分から緑色の部分を引いたものが「課税所得」です。
青色の部分が 4,260,000
緑色の部分が ▲1,860,000
「課税所得」 2,400,000円になりますね。
2,400,000円は上記の表で見ると
「税率10% 控除額97,500円」となっています。
【計算式】
2,400,000×10%-97,500円=142,500円
ちょうど源泉徴収票のピンク色の部分「源泉徴収税額」と合いましたね!
つまり、この源泉徴収票の収入だけの人は「税率は10%」といえるのです。
その他:確定申告書の場合
確定申告書の場合は、課税所得が記載されていることがほとんどなのでもう少しわかりやすくなっています。
「課税される所得金額」というところがそのまま「課税所得」です。
この例の場合は、
黄色部分の2,897,000円が課税所得ですので、表に当てはめてみると
「税率10% 控除額97,500円」となっています。
【計算式】
2,897,000×10%-97,500円=192,200円
ピンク色の部分「税額」と合いましたね!
この場合の「税率は10%」とです。
見方さえわかれば難しくない
自分がいくら所得税を納めるべきか、位置から計算しようとするとやはり少し知識が必要です。
ですが今は、色々なツールを使って税金を計算することができるのです。
無理に細かい制度を知っておこうとするのではなく、どこを見ればわかるのかを知って自分に必要な情報を上手に集めることができるといいですね。
※なお、この記事では所得税と一緒に納税する「復興特別所得税」のことは加味していません。
実際には納税額×1.021になるのでご注意ください。