夫婦でそれなりに働いているのにちっとも貯金が増えていかない。
そんなに贅沢暮らししているわけでもないし、それなりに何とかなるとは思うけれど・・・。
そんな風に感じていませんか?
年間200人の共働き家計の相談経験から、お金がなかなか貯まらない人にはいくつかの特徴があり、だいたいそれに分類されることが分かってきました。
ここでは、決して収入が少ないわけでもないのにお金が貯まらない人の4つのタイプと、どうすればいいのか対策をお伝えいたします。
お金に対する傾向からタイプ分けして考えてみます。
「なんとかなるさ」タイプ
このタイプの方は「お金がなくてピンチ!」という経験をあまりしたことがない人に多いです。
今困っていないから、この先も大丈夫だろうと漠然と考える、危機感のないタイプともいえますね。
必要なお金が必要なだけあるときはだれも困らないものですが、1年に何百万も支払いが必要になったり(大学入学)安定した収入がなくなる(年金生活)ことについて、あまり具体的に想像できていなかったりします。
また、金策を練ったりお金の話を夫婦でするのは汚いとか、周りもこんな感じだから大丈夫だろうと、安易に考えてしまっていることもあります。
その危険性を知っている人から見ると『浮世離れ』している感じがあるかもしれません。
自分の夫に「この人は何でこんなに能天気なんだろう」とか、ママ友に「お金がないっていう割にはしょっちゅう新しい服買ってるな」と感じる人がいるとしたら、もしかしたらその人はこの「なんとかなるさタイプ」かもしれませんね。
ただ、このタイプは似たようなタイプで集まっているので危機感を感じにくいようです。
「子供が小学校に入ったら」「夫の年収はもう少しは上がるだろうから」「みんなが老後破綻するわけないから」「困ったらパートで働けば」と思っているようだったら・・・と思っているあなたはこのタイプかもしれません。
なんとかなるさタイプへの処方箋
このタイプに自分が当てはまるときは、この先の人生でどんなことが起きて・どれくらいのお金が必要になるのか書き出してみましょう。
いわゆる『ライフイベント表』『ライフプラン表』と言われるものですね。
自分と家族の年齢を時系列に書き、
- 子供の入学・卒業
- 夫の定年
- 車の買い替え(何年に一回?)
- 家の外壁修理(何年目ごろ?)
いまは無料で手に入るライフプラン表のシートなどもありますが、わざわざそこまでしなくてもOKです。
ノートやチラシの裏にでも書き出してみましょう。
金額もよくわからなければおおよそでもいいですし、わからなければ書かなくてもいいぐらいです。
ポイントは、お金が入ってくるイベントは「青」お金が出ていくイベントは「赤」で書き出してみること。
実際に書いてみるとわかるのですが、お金が入ってくるイベントってほとんどありません(笑)
入ってくるのは働いている間だけもらえるお給料と時々ボーナス。あとは退職金ぐらいでしょうか。それ以外記入はきっと赤ばかり。その金額が月の給料で支払うことのできない金額なら、やはり前もって貯めておかないといけませんね。
ご主人さんが「なんとかなるさタイプ」のときは、やはり言葉で危機感だけ煽ろうとするのではなく目に見えるようにビジュアルで書き出して、説明する方が効果的です。
お金のことは勝手に何とかはなりません。ただ、何とかすることはできます。今からなら(^^)
「頭でっかち」タイプ
このタイプの方は、勉強家の方が多いです。
何かお金に関する専門分野を持っていたり、金融機関や保険業などの経験がある。あるいはマネー雑誌やお金のを本を定期的読んでていて、日経平均をサラリと言えたりする、そんなタイプです。
「これからは貯金だけじゃダメ、投資もしないと」
「保険は相続対策も兼ねています」
「クレジットカードのポイントが高いのはコレよ」
などと、難しいことを知っていたりしますね。とても意識が高く、専門家や信頼している人以外の意見はあまり聞きたくないとどこかで思っていたりします。
でも実はその割には、今月の収支は把握していなかったり、自分の家の資産・負債はわからなかったり、何のためにためているのかわからない積み立てがあったりします。
あれはこうするといい、投資なら●●証券が一番、お金を貯めるなら●●すべきよ、といいつつ「実際にはなかなか自分の行動を変えるのは腰が上がらない」ということもあります。ご相談を受けるときに事前の印象と家計の中身にギャップを感じるご家庭にはこのタイプの方がいらっしゃったりします。
勉強家で理論的なため、ごく簡単な作業(例えば、予算を立てる・どんな暮らしがしたいか想像する)をついつい無駄と思ってしまうことがあるようです。
「そんなことしても微々たる額しか変わらない」
「税金なんてどうせ払わなきゃいけないものだし」
なんてセリフが聞かれたりしますね。
勉強家で色々なことをそつなくこなし、周りからはお金に詳しい・収入が多いと思われているといまさら小さな節約や工夫をしているのを見られるのが
恥ずかしく感じていたりします。
自分が好んでそうでなくても、金融機関勤務だったり士業の資格を持っていたりすると周りからは勝手にこのタイプだと思われて、誰かに相談しても「心配ないでしょ」「それくらいできちゃってるもんね」と共感してもらえず、悩みを打ち明けにくくなっていることも多い印象です。
頭でっかちタイプへの処方箋
色々な知識を持っていて周りからはそれなりに豊かな暮らしだと認識され、実際にお金も使っているのに実は家計の中は整っていない。自分や周りが作り出したこのイメージを持っていると、小さくとも大事な行動や基本的な考え方が抜けていて、収入が変わったときに途端に破綻してしまう恐れがあります。
収入が多く世間的には地位の高いところにいるのにお金が貯まっていないこのタイプへの対策は2つです。
ひとつつは「小さいことを自分の力で実際にやる」もう一つは「信頼できる専門家に相談する」です。
自分で確実に実行する
必要な貯金ができていないのなら小手先のテクニックや裏技では解決しません。自分でやるのは時間の無駄だとなんでも外注するのではなく、身に着けてきた知識を自分の手で行動に変えてください。高みの見物をやめて「やってみる」ことをお勧めします。
家計は小さな行動と決断の積み重ねです。行動無くして結果無し!
オススメなのは「家計のバランスシート」などを作ってみることです。
“○○家 財務諸表” ”〇〇年〇月〇日 決算報告書”などタイトルをつけて、ぜひ気分を持ち上げてください(^^)
企業の決算報告書などを参考に体裁を整えてみるのもいいですね。
普通の人ではなかなか難しい解約返戻金の評価や土地・家屋の金額なども調べて書けてしまうのではないですか?
小さなことでも「実行した」という確実な実績は、貯めるためへの大きな力なります。そしてそこから大きな気づきがあるはずです。
信頼できる専門家に相談する
共働き家計の様々な相談にのってきて感じるのは、実はこのタイプの方は「人に相談しにくい」とお悩みを抱えていることが多いようです。
金融機関勤務、税理士や社労士、保険会社勤務など「お金」にまつわる仕事をしていると、お金のことは詳しくて当たり前だと思われがちです。「家計」を仕事にしている人はいませんから、いくらお金に関係する仕事をしていたとしても、家計のことはわからなくて当然。ただ、知らない人から見ればどれも「お金の専門家」
そんなことも気になってなかなか相談しにくかったり、年収が1500万円を超えるような家庭は「それくらい収入があれば大丈夫ですよ」などと言われて、なかなか家計の相談に取り合ってもらえない。結果、一人で頑張るしかなくて苦しくなっているという相談をいくつも見てきました。
相談しにくくてこれまでひとりで頑張るしかなかったなら、思い切って信頼できそうな専門家に相談してみましょう。ちゃんとした専門家であれば、守秘義務は守りますし、仕事内容や年収で相手を判断したりしません。たくさん相談を受けた実績がある専門家なら、そのご家庭にあったお悩みを見つけて提案してくれるはずです。
勉強家で頭の回転も速いこのタイプの人は、やり方さえ分かればその力を生かしてあっという間に家計が整いますよ!
言いわけタイプ
「全然贅沢していないし」「これくらいみんなやってるから」「今月は●●があったし先月はまさか●●が壊れるなんて」「私はちゃんとやっているのに夫が・・」「子どものお金ってかかってかかってしょうがない」「先月頑張ったからご褒美~」
・・・だからお金が貯まらなくても仕方がない、と万事が言いわけから始まるタイプもいます。もちろん口に出して言わなくてもそう思っていることって多いものです。
言い訳とは他のせいにすることです。つまり、自分のせいじゃないと言っているようなものですね。
このタイプの方は、総じて「これくらい普通」と思った支出が身の丈に合っていないことが多いです。
横並び意識が強く、取捨選択が苦手でモノが多く片付かないタイプにも多いです。
言いわけタイプへの処方箋
身の丈というものを考えたことはない。みんなと同じじゃないと不安でモノが多い。いつもイレギュラーなことが起きてなぜかお金が貯まらない。
こんな言いわけタイプへの処方箋は「人のせいにしないと決める」ということです。
言いわけしていてもいつまでもお金は貯まらないので、まずは人のせいにせず自分ができることを始める、と決めてしまいましょう。そして、過去のことをいつまでも責めないことです(自分に対しても、パートナーに対しても)。
過去の失敗を考えるからついつい言いわけしたくなってしまうわけですから、気持ちを切り替えて「これから変えていくために何をすればいい?」と視点を変えましょう。過去を責めるような相談相手には間違っても話をしないようにしてください。あくまで過去は過去。
確かに予測できないことは世の中起きるものですが、このタイプの方が言いがちな「まさか」はほとんどが予測できるものです。
家電が壊れることも予測できます。いつ壊れるかはわからなくても、形あるものいつかは壊れます。それに備えてお金を準備することはできます。子どもにもお金がかかる時期はあります。ただ、それは「お金がかかる」というよりは「自分がお金をかけた」ことの方が多いはず。
さあ、ここから未来へ向けて「どんなことが起こるか想定して準備を始める」と決めてかかりましょう!
神経質タイプ
家計簿をつけたはいいけど疲れちゃって続かない。アプリを準備したけれど目的を見失って、むなしくなってやめて結局お金も貯まらない。そんなあなたはこちらへ集合!
このタイプの方はとにかくキッチリさん。
やろうと思ったら、新しい家計簿を買ったり、袋わけの貯めの専用用品を買ったり、本を最後まできっちり読み通してからでないとなかなか動きません。
レシートをきっちり集め、自動販売機の買い物はメモを取り、割り勘は別会計にこだわります。スーパーで日用品と食材を買ったら、きちんとマーカーでマークなどします。袋わけの場合は、「●●円は被服費から、これは食費から・・・」細かいお金が足りないから、ドラッグストアであれを買って崩して、こっちに●円入れて・・・。とてもまじめさんです。
ですが、家計簿に使途不明金があったり、計画した予算をオーバーしてしまうと突然先に進めなくなります。
なにか問題があって、3日もレシートがたまったら「もうだめだ」
あらかじめ決めた予算を超えて使ってしまったら「やっぱり私はだめだ。貯まらない人間だ」と必要以上に落ち込んでしまいます。
神経質タイプへの処方箋
きちんとやりたいのに。きちんと計画したのに破ってしまって心が折れちゃう。自分を責めちゃうこのタイプへの処方箋は、細かいことをやるの禁止!です。
働くお母さんが細かいお金の管理をしていくなんて相当な苦行だし、そもそもそんな細かいところのキッチリさは必要ないんです。家計簿をつけたいのなら、つけた後に何をするか決めておく。そのためにはどんなことを重点的に記録すればいいか考えておきます。とりあえず家計簿は「家計簿をつけることが目的」になってしまっていますよ。
どうしても家計簿をつけたいのなら、必ず「残高訂正」や「使途不明金」の項目を作ります。それでいいんです。もし、何万円も使途不明金が出てしまうようなら、それは記録の仕方ではなく家計のお金の流れに問題があります。退治すべきはそちらです。
神経質タイプの人は「細かいところから全体」ではなく「全体を見てから細かく分析する」方法に変えましょう。
「収入」「固定費」「その他」など、まずは大きなブロックごとに大まかな金額を把握します。そのあとでさらに中を見ていく必要がありそうだったら分解していく。その順番でやっていくと、細かいところに気を配れる能力がさらに発揮されていきます。
どうしても小さいところにこだわってしまいがちなときは、全体像の把握を手伝ってくれる専門家やパートナーを探すのがおすすめです。
どれに当てはまりましたか?
いろいろなタイプがありますが、もちろんすべての人がピッタリとどこかのタイプに当てはまることはありません。色々な要素が複合的に当てはまることもあるでしょうし、自分と家族が違うタイプのこともあります。なにより、自分がどのタイプかわからないことも多いですしね。
もしご自分が、この記事でご紹介したタイプに当てはまりそうならぜひその処方箋を使ってみてください。
どれもしっくりこないけれど、家計に困りごとがあるときはご相談メニューもご利用くださいね。
もちろん「あなたは●●型だから貯まらないんです!」なんてことはありませんので、ご心配なく。
重要なのはタイプわけをすることでもなんでもなく、困りごとを解決することですから(^^)
自分に合った方法で家計と向き合いながら、頑張らなくても続けられる「仕組み」で家計を管理していけるといいですね。
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