家計の赤字や貯金が増えない問題を解決するために家計簿を一生懸命付けているのに、ずっと赤字のまま。なんで!?
なんて思っていませんか?
家計管理の基本は「収支の把握」です。これをしっかり行わない限り、家計改善は難しいです。
ところが、家計簿をつけているのにもかかわらず家計が一向に改善していかない人もいます。
そこで今回は「家計簿をつけているのに改善しない」とおっしゃるご相談者さんを見ていて分かった、見落としがちなポイント7つお伝えします。
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1. 目標が明確でない
家計簿をつける目的は明確ですか?
「赤字を解消する」のが目的だ、と思っているかもしれませんが、これだと少し弱い目標です。
赤字を解消する先に、具体的にどんな未来を描いているのかが重要です。
赤字をなくすというのは黒字にするということ。黒字というのは貯金が増えるということ。その黒字はどうしたいですか?
例えば「貯金を増やして、将来旅行に行きたい」といった目標があると行動がより現実的になります。
また、私もそうですが「こんなステキな未来」みたいな目標設定が苦手な方は、「こうはなりたくない未来」をイメージするのも一つの方法です。
例えば、年金だけで生活することや、体がしんどいのに働かなくてはいけない、子どもに仕送りを頼らざるを得ない、友達に誘われてもお金が無くていつも断るしかない・・・・そんな将来を避けたい、というようなネガティブなシナリオを想像してみましょう。
やりすぎると苦しくなるので、この方式はほどほどに。
2. そもそも収入が不足している
残念ながら、家計簿をつけるだけでは収入が増えるわけではありません。
もし固定費すら賄えない収入であれば、家計簿よりも収入を増やすことに力を入れるのが先。
収入が十分でない状態では、どんなに家計を見直しても赤字の根本的な解決にはなりません。
(もちろん産休中・育休中や病気などで休職しているような一時的な期間は除きます)
副業を始めたり、転職を考えたりして、収入アップの手段を積極的に模索しましょう。
当然、扶養内で調整するなんていうのはさっさとやめたほうがいいですね。
ただし、慌てて収入を増やそうとすると、楽に稼げる系や法律に触れるような危ないものに吸い寄せられがちです。視野を広く持つのは忘れないように。
本当に固定費も回らないようだとしたら、思い切った固定費の削減も必要かもしれません。
住宅ローンが大きすぎるなら家を売るなどです。
家を売るなんて相当なことですが、慢性的な赤字というのはそれくらいの一大事の可能性もあります。
「ならぬ堪忍するが堪忍」と思って退路を断って動きましょう。
3. 家計簿を正確につけていない
家計簿をつけているつもりでも、全ての収入と支出を把握していないケースが多くあります。
特に、自分の都合の良い部分だけ記録している場合や、支出の一部(食費と日用品だけ、小遣いだけなど)しかつけていない場合は要注意です。
一部の記録をとることが目的なのではなくて、家計の赤字を解消するためには、全体の収支を正確に把握することが不可欠です。
支出を細かく記録する必要はありませんが、収支の【全部】を把握できるようにしておきましょう。
4. 合計を出していない
家計簿に数字を記録しているのに、合計を出していないということもよくあります。
あとは、実際の支出は4.6万円なのに「大体4万円」といった形で自分に都合よく数字を丸めてしまうのも、貯まらない人ほど良くやります。
収支をつけるだけではなく、毎月の合計をしっかり計算し、家にどれだけのお金が残っているかを確認することが大切です。
特に赤字である場合、1円単位での管理が必要です。
小さな誤差でも無駄にできない状況ですので、収入、支出、残高をすべてきちんと合計しましょう。
5. 振り返りをしていない
家計簿は過去の記録をつけるものです。どんなに細かく付けても今更動かせない事実が明らかになるだけ。
つまり、それだけでは未来のためには役立ちません。
付けた家計簿は「振り返り」までがセット。
振り返りのポイントは
・予算とのズレと理由
・予算オーバーがたまたまなのかいつもなのか
・あといくら支出を減らせば黒字化するのか
最低限ここまではやっておきましょう。
6. あるお金だけで生活していない
子どもには「持っているお金の分だけしか買えない」って教えたことがあったと思います。
でも、どうして大人になるとそうでなくてもいいと思ってしまうのか?ということです。
「持っている・使えるお金の範囲で暮らす」のが当たり前です。
ところが、慢性的に赤字の人はこの観点が薄くなっていることがとても多いです。
クレジットカード(未来の自分のお金)や過去の貯金に頼って、今手元にある現金以上に支出していることはありませんか?
未来の自分からお金を借りるような生活は、赤字をさらに悪化させる原因です。カードで払うとポイントが貯まるとか、記録が楽だというのは赤字ではない人がやっていいこと。
未来の自分にしろ他人にしろ、どこからかお金を借りてくるクセがあるのなら、それを正常化するために現金生活に戻ったほうがいい可能性が高いです。
まずは、今持っているお金だけで生活する習慣を取り戻し、クレジットカードや貯金の取り崩しをやめましょう。
7. 行動を変えない
最も大事なのは、実際に行動を変えることです。結局これ。
支出をコントロールできないのにクレジットカードを使い続ける、必須の地域でないのに車を手放せない、コンビニ・外食を控えられないなど、今までの習慣に固執していては赤字を改善できません。
誰だって今までできていたことを辞めるのは嫌なものです。でも赤字ならそんなこと言っていられません。
チマチマしたことではなく大きな行動の変容が必要なタイミングかもしれません。
思い切って今までの「当たり前」を見直し、家計改善のために新しい行動を取り入れましょう。
もう今が「待ったなし」
これら7つのポイントを見直し、言い訳せず、実際に行動を変えてみましょう。
もし自分一人では改善が難しいと感じる場合は、専門家に相談するのも一つの手です。
今すぐに対策を始めることで、将来の赤字からの脱却がスムーズになるかもしれません。
今すぐ、今日から行動を一つでも変えていってくださいね。