今日は「お金」に関する驚くべき誤情報7選についてお話しします。
インターネット上には、膨大な情報が溢れています。だからこそ何を信じたらいいのかわからなくなることもあるかもしれません。
今の時代は情報そのものより「情報を自分に当てはめて使いこなす力」のほうがずっと大事になってきています。
とはいえ、まず情報収集をするのはとっても大事なこと。
でも時には耳を疑うようなトンデモ情報に出くわすことも。
今回は、特に信じてはいけない危険な情報を7つご紹介します。
どこかで見かけたことがあるかもしれませんので、ぜひご注意ください。
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1. 公的保険があるから、保険はいらない
「日本の公的医療保険があるから、医療保険はいらない」という主張を聞いたことありませんか?
いわゆる「保険不要論」ってやつです。
実際にそういう情報を色々なところで見聞きして、自分には保険は要らないのではないか?でも不安だからどう思う?といった類のご相談は多いです。
確かに日本の公的医療保険は優秀で、高額療養費制度もあります。
保険証が使えるような範囲の治療に限って言えば、一定の貯金があれば命が危険にさらされる可能性は低いと思います。
ただし、だからといって、すべての人が保険なしで大丈夫というわけではありません。
実際に、私の経験ではほとんどの家庭が何らかの形で保険が必要なケースが多いです。
保険の必要性は人それぞれで、全ての人に「いらない」と断言することはできません。
自分の状況に合った判断が重要です。
自分の家計の状況が加味されていない状況で「保険はいらない」と断言されているとしたら、本当にそうかちょっと疑ってみてください。
2. NISAなら預金より増える
2024年にパワーアップしてスタートしたNISA(少額投資非課税制度)に関する情報も盛んですが、「NISAなら預金より確実に増える」という情報には注意が必要です。
確かに、NISAは低金利の預金よりも資産を増やす可能性があるかもしれませんが、NISA自体は投資制度であり、元本割れのリスクもあります。
NISAを勧める人は、「そもそもNISAをやっていい状況にない人」はターゲットにしていません。
入ってきたお金がほぼ支出で亡くなってしまう人は、そもそも生活防衛費(生活費の3~6か月分)もない人はNISAでお金を増やしたり、赤字を補填しようとしてはいけません。
投資が全く初めての人や、貯金がほとんどない人がNISAで資産を増やそうとするのは危険です。
投資は長期的な視点が必要で、すぐに増える魔法の箱ではありません。
NISAなら預金より増えるというのは「(最低限の条件をクリアしている人が)NISA(を効率的に使う)なら(長い目で見ると)預金より増える(可能性がある)」という言葉を省略しているものです。
3. NISAより変額保険の方が増える
「NISAより変額保険の方が増える」というのも、非常に誤解を招きやすい情報です。
これがいかにおかしいことかわからずに変額保険を契約しているとしたら、本当に注意が必要です。
変額保険はよくないとかNISAのほうがいいとかそういう話ではありません。それは使い方の問題です。
例えば「中華料理よりフランス料理のほうが太ります」と言われたら、「いやいや、料理の種類じゃなくて何をどれくらい食べるかが問題でしょ?」と思うはず。つまりそれくらいおかしなことなのです。
変額保険は、保険の中で運用される資産が投資信託のようなものであり、運用次第で増減します。
また、変額保険は保険料の一部が運用に回るため、運用に全額が使われるわけではありません。
保険料が保障や保険会社の手数料に回るため、同じ運用の内容だとしたら、変額保険のほうが増えづらい可能性が高いです。
保険募集人の方は保険のプロですが、みんながみんな運用について詳しいわけではありません。
保険会社の指示で変額保険の販売がノルマのようになっていることも多いようなので、納得のいかない説明がされたときは十分気をつけましょう。
NISAや変額保険を利用する際は、自分のニーズに合った選択が必要です。
4. 会社を作れば何でも経費にできる
「会社を作れば、何でも経費にできる」という誤情報も危険です。
なんでも経費にできるから会社員も副業で会社を作ったほうがいい、というようなトンデモ情報もよく見かけます。
確かに、事業に関連する費用は経費に計上できますが、家族の食事や旅行、個人的な高級品まで経費にできるわけではありません。
経費として認められるのは、事業に直接関連する支出のみです。
そして、なんでも経費として計上してくれる税理士がいい税理士だと思っているなら大間違い。
怪しい情報や助言に騙されないようにしましょう。
5. 経年劣化でも火災保険で直せる
「経年劣化でも火災保険で修理できる」という誤情報もよく耳にします。
火災保険は火事が起きたときの補償だけではなく住宅の総合的な保険というイメージです。自然災害による損害にも使えることがあります。
ただし、火災保険はあくまで、自然災害や偶発的な被害に対して補償するもので、時間経過による建物の劣化(経年劣化、自然損耗)には適用されません。
台風などの大雨が降った後の家の不具合などは、経年劣化によるものなのか台風によるものなのかの判断は難しいものです。
そういう場合は保険会社で調査を行ったうえで保険が下りるかどうか審査されます。
ところが悪質な業者が「経年劣化でも保険で直せる」と言って「自分に頼めば保険が下りるけど、自分でやったらまず無理」のような言葉をつかい、高額な手数料を要求したり、途中でやめるとキャンセル料が発生するケースもあります。
災害でないとわかっていて請求するのは詐欺の片棒を担いでいることになりますし、業者に騙されて大損する可能性もあります。
詐欺に引っかからないように注意しましょう。
6. 保険料は5年後に払い止めればいい
貯蓄型の保険で、毎月の保険料を5万や6万などの高額で設定して貯金から払わせ「5年後に保険料を止めればいい」という説明も間違いです。
『払い済み話法』と言われ、本来の保険の趣旨から外れたやり方だとして金融庁も注意喚起をしています。
払い済み保険は、それ以上保険料を支払わない代わりに保障が減額されます。
元々の契約内容が変わるため、契約者にとって不利益になることも多いです。
このような説明を受けた場合は、本当に今の内容が自分の思っているものとみあっているか契約内容を再確認しましょう。
7. お金は使えば入ってくる
「お金は使えば入ってくる」というスピリチュアル的な考えも、一部では広まっています。
心のブロックを外せばお金が入ってくる、ブロックを外すためにまずお金を使いましょう、という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは現実的ではありません。
お金との付き合いは必ずしも合理的なことばかりとは限りませんが、お金を増やすには、しっかりとした計画と管理が必要です。
目に見えないものに頼る前に、現実的な対応を考えることが重要です。
いかがでしたか?
情報が簡単に手に入る時代だからこそ、その情報の正確性を見極める力が必要です。
闇雲に信じるのではなく、自分の状況に合わせて慎重に判断していきましょう。