たった1か月半で人生は180度変わる。またそんなお客様を目の前で見させていただきました。
YS様(40代前半)の世帯は、年収は手取りでも1000万円あるのにもかかわらず、貯金はかき集めて30万円。保険から200万円を借り入れているお客様と家計再生を行っています。
お子さんの私立中学受験を見据えて、このままではマズイと家計と向き合うことになりました。
全6回の家計見直しプログラムの半分が終わったところでの経過をご紹介いたします。
クレジットカード破産寸前からの脱出
年収と貯蓄を聞いた時、驚きました。
年収は1300万を超えているのに、借金があるというのです。
何か事業で失敗したり、大きな病気になって働けなかったなどということもありません。ただ「使いすぎ」だったのです。
6回プログラムの一回目は「資産・負債の確認」「お金の流れの確認」です。
わかっていそうでわかっていない。
なんとなくわかるのは通帳の残高ぐらいです。
専用のワークシートと、財産の種類のヒアリングと確認の仕方を説明して、洗い出してきていただきます。
少ない多いが問題ではありません。「把握しているのかどうか」が一番大事なポイントです。
ここで貯金と借金が明らかになりました。
使いすぎの原因は何といっても「クレジットカード」
クレジットカードの請求が毎月数十万。引き落としのたびにヒヤヒヤして、足りなかったら子どもの学資保険の積み立て部分から借り入れるという流れを繰り返していました。
こうなると完全に自転車操業です。
まずは貯金うんぬんよりもクレジットカードとの付き合い方を変える必要があります。
貯金が全くないのでいきなりやめてしまうと生活がままならない。
そこで財産の中から現金化できるものを探しました。
幸いに放置してあった詳細不明の金融商品が利益が出ていたのでそれを換金しました。また、デパート積み立てを解約して商品券を手にしたのです。
それを主な元手にして、クレジットカードの利用を辞めました(クレジットカード経由で引き落としになる公共料金などの固定費はそのままです)
ボーナスで窮地を脱する
本来なら毎月は使わなくても、一年以内に使う特別支出用のお金(固定資産税や自動車関係費)などは積み立てていないのでねん出できません。
そこで夏のボーナスはその分のつじつま合わせ(ボーナス払いでクレジットカードを使ってしまっていた分)に当てました。
今回のボーナスは娯楽に使える金額はほどんどありませんが、この状態では致し方ありません。
それでも、すでにここから65万円の借金返済ができそうです。
2回目の面談では、過去一年間のお金の流れを明らかにします。
家計簿を付けていないとわからないと思いがちですが、細かい金額は必要ありません。
クレジットカードの明細や通帳から固定費はほとんど拾い出せるものなのです。
その中で、毎月支払っているもの、毎月ではないけれど一年以内に使うもの(特別支出)を洗い出します。
こちらも専用のシートに記入していってもらいます。
毎月かかるわけではないお金が、一番漏れやすいもの。
このシートを完成させると「こんなに使っているんだ」「何に使ったか全くわからない」という『貯まらない原因』が明らかになるのです。
特別支出を割り出し、先取りする仕組みを創る
去年の年間の支出を洗い出し、その後「今年はこれはない」「もうこの支出は減らした」などを確認します。
そして前もって積み立てていく必要のあるお金をおおよそ5つ程度に分けます。
例えば、税金・自動車関係・旅行関係・年払い保険関係・・・・などというようにです。
ここで明らかになった金額は、すぐに使うお金ですので貯金ではありません。
使うことが決まっているのですから貯めなければならないのです。
ここでは手間をかけずに自動で積み立てられる手続きの導入をお勧めしたり、項目分けをアドバイスします。
面倒すぎたり・細かすぎたりしなくていいように続く仕組みを創るのです。
全体像を把握したことで、毎月95,000円の特別支出が先取りできるようになりました。
これができたことでボーナスを当てにする必要もなくなりますし、日々の支出の変動に踊らされなくなります。
3回目の課題は、割り出した年間の支出を「毎月」に置き換えることです。
この時点では「お試し予算」をワークシートに作っていただきます。
過去のデータをざっくりと乗せるので、決定した予算ではありません。
去年これくらいの生活の大きさをしていたということを実感していただきます。
特別支出をよけることで、固定費はどれくらいになるのか、残るお金はどれくらいなのかがわかることが大事です。
次のボーナスはほぼ貯金。財形も合わせて年間100万は楽勝に
当たり前のようにクレジットカードを使っていた暮らしから、それを現金に換えていくというのは少し煩わしかったと思います。
ですが、現金で支払うように変えたところ「今買うべきなのか」「必要なのか欲しいのか」を考えるようになったそうです。
結果、冷蔵庫はスッキリし、本当に必要なものか判断する力がついてきました。
支出を無理に我慢したりするわけではなく支払方法を変えただけでです。
また、子どもにもお小遣い制を導入し、お小遣いで賄うものを定義しました。
するとお菓子をねだられたりすることもなくなり、子ども自身が「これは高いから今はやめとこう」などお金の使い方を考えだすようにまで変わったそうです。
一か月半前にはどうやって次回のクレジットカードの引き落としを逃れようかと考えていたのに、毎月10万も先取りできるようになったこと。
次回のボーナスを支払いに充てなくて良いことが分かったことに、ご本人が一番驚いていました。
しかも、家族旅行もし必要以上にケチケチと節約をしたわけではありませんから、私も驚きです。
このままいけば、5年後には1000万円の貯蓄ができるでしょう。
まだ残るところ3回。
整いきって借金をなくし、資産運用スタートに向かっていくことも夢ではありません。
今後も伴走させていただくのが楽しみです(^^)