そろそろ子供も成長し、生活も安定してきたので働こうかなと考えている方や、現在の職場を変えたい方もいるかと思います。もしかしたら新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事を辞めざるを得なかった方もいるかもしれません。
今日はパートを探す時に気を付けて欲しいポイントについて整理していきます。
この記事のまとめ
ㅤ◆給料が高くても、その理由が明確でない場合は注意が必要。特に付加価値がないのに高給なら要警戒。
ㅤ◆性別が限定されている求人は避けるべき。性別指定は法律違反で、経営者の信頼性に疑問が生じる可能性がある。
ㅤ◆仕事の内容がはっきりしない場合、高時給であっても慎重になるべき。求人内容が曖昧な場合、労働環境が不安定かもしれない。
ㅤ◆SNSだけで募集されている仕事には注意が必要。詐欺や危険なバイトが多く、甘い言葉に惑わされないよう注意が必要。
ㅤ◆求人条件が緩すぎる場合は注意。未経験者OKや条件が不問となっている場合、仕事が不安定かつステップアップが難しい可能性がある。
ㅤ◆勤務地が不明確な場合は注意。希望の店舗やエリアが実現できない場合、拘束時間が伸びたり、不都合が生じる可能性がある。
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どんな仕事をしたい?
厚生労働省によれば、2023年4月時点の有効求人倍率は1.32倍とのことです。
有効求人倍率
求職者と求人企業の割合を表す数字。
倍率が1を上回ると、求人企業の数が求職者の数より多く、数字が大きいほど人手不足ということ。
人手不足1位は福井県の1.95倍で、最下位は神奈川県の1.1倍。
特に、警備員、道路管理員などの保安業、飲食業、接客、介護サービス、家庭生活支援サービスなどの福祉分野が、パート職種別で人手不足となっています。こういった会社は400の求人に対して、たった100人しか応募がないような慢性的な人手不足が発生していることがわかります。
もし社会復帰してすぐや仕事の選択肢が限られている場合、求人倍率が高い職種を検討することも一つの方法かもしれません。
将来的にずっとしたい仕事ではないとしても、産後初めての就労だったり、長い専業主婦期間を経た後の仕事は、まずは「働く実績」「短い時間からでも仕事に行く経験」を積むことも視野に入れてみてください。それが本当にやりたい仕事に就くときの後押しになることもあります。
パートを探す時に注意したい8つのポイント
ただし、あまりにも条件が良すぎる求人には注意が必要です。
もちろん自分の状況に合った働きやすくて給料の高い場所で働きたいものですが、条件があまりに優れている場合、なにか意図しないことがある可能性も考えられます。
パート・バイト先を探す上で注意が必要な8つのポイントをチェックしていきましょう。
1:明確な理由がない高給の仕事に注意
給料や賃金は一般的には何かの対価です。資格や経験がある、あるいは勤務地など条件が悪くても来てくれるなどの付加価値がなければ最低賃金のはずです。
時給がやけに高くても経験や資格が必須などの理由がはっきりしているなら問題ありません。そうではなくて、誰でもできると思われるような仕事なのに給料が高い場合は注意が必要です。
高給の背後に何か(例えば人が居つかない人間関係や上司がいるなど)があるかもしれないので、他の類似の求人と比較検討しましょう。
2:性別に限定されている求人に注意
性別を限定した募集は基本的にルール違反です。昔は「女子大生募集」なんて書いてあるような求人も見かけましたが、いまは男女雇用機会均等法などによってそういったことは禁止されています。性別による差別的な求人に注意しましょう。
この時代にそういった求人を平気で出してしまう経営者は法律に関して疎く、そのほかの場面でも守るべきルールを守らない可能性があります。
例えば、雇われているのに短い時間だからと労災に加入していなかったり、給料明細がもらえないなどのようなことです。
自分が募集されている性別だとしても、やっぱり気を付けたほうがいいですね。
3:仕事内容が不明瞭な求人に注意
先日テレビのニュースで「闇バイト」のことが取り上げられていました。募集内容は簡単な作業とか荷物の受け渡しのような形で曖昧に書かれていたようです。
もちろんやったことの無い仕事の場合、例え仕事内容が書かれていてもパッとイメージがつかない可能背はありますが、それこそはっきりしないのに最低賃金より高いのだとしたら、ちょっと疑ってかかりたいところです。
闇バイトでないにしても「事務」の求人だったのに他と比べて時給が高いと思ったら、テレアポ(電話での営業)もさせられたなんてこともありました。
求人票で全ての仕事内容を書き表すことはもちろん難しいものですが、明確でない仕事内容で高時給といった魅力がある場合、思っている仕事と違う可能性があります。気を付けましょう。
4:SNSでの募集に注意
SNSを通じての求人募集には注意が必要です。
大企業になるとSNSなども使って募集する可能性がないとは言い切れませんが、だとしてもきちんと公式のページへの誘導になっているはずです。
DM(ダイレクトメッセージ)などだけで契約が成立するはずがありません。
SNSはキレイな面や憧れの暮らしなどが並んでいるので、現実ではないとわかっていてもずっと見ているとそういう世界があるのかもしれないなんて思ってしまうことには注意が必要です。特に若い子はSNSを通じて詐欺などにひっかかることが多いです。情報源には注意が必要。
信頼性のない求人情報や詐欺的な勧誘が潜んでいる可能性があります。公式な情報源やオフィシャルページからの求人情報を確認してください。
5:条件が緩すぎる求人に注意
条件があまりに緩い求人には要注意です。「年齢性別経験不問」「誰でも可」「未経験歓迎」などの条件がある場合、そんな条件を緩くしないと人が来てくれない仕事の可能性があります。
ブランクが長い専業主婦からなどのパートのような足掛かりとしてはいいかもしれません。それによって自分や家族が働くことになれるという意味で有益なことはあります。ただし、あまりにゆるく誰でもできるような仕事はそこでステップアップはしづらい可能性もあります。「正社員登用の可能性あり」と書いてあったとしても、それはあくまで可能性があるだけです。
自分のキャリア全体も考えたうえで仕事選びをするのも大事です。
6:勤務地が不明確な求人に注意
勤務地が不透明な求人に注意しましょう。
近隣に複数店舗があるような会社は、募集要項に具体的な勤務地が明示されていない場合、実際には遠い場所に配属されたり、それによって拘束時間が伸びることがあるかもしれません。通勤時間は時給が発生しないので、通勤が長くなることで実際に時給が発生して働ける時間が減るなんてこともあり得ます。
確かに採用時は希望店舗のリクエストを行くと言われたとしても、ほかの人がすでに入っているとか働き始めたばかりで言い出しにくいなんてこともあります。
勤務地だけではなく「土日どちらか出勤」のような求人も、実際には行ってみたらどっちも出ないといけない雰囲気があるなんてこともあります。もちろんどちらか休んでいいと言われたうえで採用されているわけですから、それで貫けばいいのですが、職場の人が契約内容を知っているわけではありませんから休みにくいなんてことになる可能性もあります。
契約内容のほかに、実際にはどうかもチェックしておきたいところです。
7:書面での契約や通知が不明確なケースに注意
雇用契約や労働条件についてなにも書面で取り交わしてもらえないようなところも注意が必要です。
できれば就業規則だってちゃんと交付してもらいたいところですが、最低限「労働条件通知書」や「雇い入れ通知書」のような、労働基準法でこうする義務があるものは受け取れる会社を選びたいところです。こういったことをないがしろにする会社は法的なルールにずさんな可能性があるからです。
契約内容は「106万の壁」など扶養にも関係してきます。特に小さい会社などは省略されがちですが、応募時にこういうものを書面で貰えるか確認しておくのがいいかもしれません。
こういったものを取り交わしておくことで「聞いてない」という行き違いを防ぐことにもなりますし、「募集内容と仕事が全然違う」というのを防ぐ抑止力にもなります。
悪意を持って交付しないケースはそうはないと思いますが、契約だから書面で取り交わすものと思っておくほうがいいかもしれません。
番外編:業務委託
「業務委託」の働き方にも注意が必要です。
これはそもそもパートバイトの雇用契約ですらないので番外編としてご紹介します。
業務委託とパートアルバイトの違いを知らない人、実は結構多いです。
業務委託というのは給料ではありません。時間単位で計算されることもあるので、「時給というとは給料だ」と思い込んでしまっては大変です。
業務委託は雇われているものではないので、仕事先に向かう途中に事故などに遭っても労災の適用は受けられませんし、給料ではないので年末調整の対象にもなりません。原則確定申告をして納税が必要です。
会社側は「業務委託です」と伝えて契約を取り交わしていれば、その先にどんな手続きをしなければいけないのか説明する義務はありません。
雑所得として申告するか開業届を出して事業所得にするか、源泉徴収されているかいないかなど自分で勉強しての手続きが必要です。
一見、給料より高く感じて、お得だと思い込んでいる人もいます。ですが給料と比べると圧倒的に自己責任でお金を受け取る働き方が業務委託です。会社は人を雇うリスクを負わなくていいので都合がいいことが多いですがこちら側もその働き方でいいのかというのは考えておきたいですね。
何を求めて仕事に出るかは人それぞれです。実際には入ってみないとわからないことも多いと思います。
ただ、働く前にこの記事でご紹介したことを知っておいていただけると「こんなはずじゃなかった」というのが防げるかもしれません。
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