家計の相談に乗っていると「この暮らし方を維持して、将来の目標も達成したいならもう少し年収が欲しいですね」というケースは少なくありません。減らせる支出と減らせない支出があるからです。
基本的な生活費が収入の多くを占めてしまっている場合は、よほど大きなアクションを取らない限り大きく改善するのは難しいですね。
家計の本講座(6回連続講座)の卒業生から、「収入を増やすためにダブルワークで起業をするのはどうか」というご相談をいただきました。
今日は、収入を得るために種類について、思うところを書いてみます。
キャッシュフロー・クワドラントという言葉を知っていますか?
先日、イベントのゲストに呼んでいただき、トークショーをしたときに話題になった「キャッシュフロー・クワドラント」という言葉をちょっと紹介します。
金持ち父さん貧乏父さんのロバートキヨサキさんが書いている本に書かれています。
(ガチ文字だらけなので、読めそうかどうかは書店でご判断ください(笑))
ナナコの超訳で書くので正しくは本をお読みくださいね。
さて、キャッシュフロークワドラントはお金の稼ぎ方を4分割したものです。
E→Employee(従業員)
S→Self employee(自営業)
B→Business owner(ビジネスオーナー)
I→Investor(投資家)
こうですね。
日本人の多くは(日本人に限らずですが)Eにいる時間が長いのではないでしょうか。人口としても一番多いのがEですね。
そしてSは自営業者(起業)です。
この二つは「自分が頑張って稼ぐ」という収入の得方です。
そしてBは「ビジネスオーナー」
よく会社経営とか言われますけれど、ただ法人化しただけで自分が働いていているからお金が入っているうちはSですね。
Bは、フランチャイズとかネットワークビジネスとか・・・まあ・・・仕組みができてお金が生み出されるものです。
そしてIは投資家です。お金がお金を生むという仕組みです。
「お金持ち」になるにはBやIに行くこと、と言われる
お金持ちになるためには、B(ビジネスオーナー)やI(投資家)になりましょう、って話なんです。本では。
確かに、Eは会社に雇われて働いているから収入が得られるわけですし、独立起業してSになっても自分が頑張っていないと収入になりません。
働くことをストップした時点で収入がなくなるのがこの二つです。
だから『会社員だけだと不安だから起業』というのは、実は収入の可能性は広がっているようでいて、稼ぎ方としては安定しているわけではないと言われます。(BやIになることを勧める人たちはね)
ここまでが、ナナコ超訳的なキャッシュフロークワドランドです。
ここからは私の考えです。
EやSは悪いのですか?
こういう話を聞きに行くとね、労働収入側(EやS)は非効率的で持続しない。お金持ちにはなれない、って主張を聞くわけです。
それに対して、BやIは不労収入だから「時間やお金の縛りから自由になる」ということだ、と。
でもね、私はいつも思う。
「そもそも働かずお金持ちになりたいかなぁ」
もちろん私は、お金は大事でそれで買えるものの多さを知っているから”お金だけじゃないけど、まずある程度はお金よね”と思っています。
だけど、お金持ちになりたい!楽してお金が入ってくるのが幸せ!っていう気持ちが・・・・・ない。
もし、働かずお金を得る方法をお望みなら私とは合わないと思います。笑
なんというか、
一般職・総合職があって(今はあんまりこの名称を使わないかもしれないけど)全員が総合職だったら成り立たないでしょう?
売上をつかんでくる営業と会社を回す総務があって、全員が営業だったら会社は回らないでしょう?
自分が居心地がいい、自分が安心で幸せを感じていられる状態が望ましいと思うので、例え生涯「E」だとしても、幸せだと思って死んで行けたら究極の勝ち組だと思います。
もちろん、BやIを勧めている人だってEやSを否定しているわけではないと思いますよ。
好き好んでやるのと、それしかできない、の間には大きくて深い川があるわけですから。
長く働くことでカバーできる不安もある
収入を増やしたいという想いの裏には色々な不安があると思います。将来困らないようにという想いも強いかもしれませんね。
やっぱりお金はあるに越したことがないし、雇われて従業員として稼ぎだせる金額は基本的に頭打ちであることは間違いない。時間を売って対価を得ている部分が多いわけですから。
でも、将来の収入不安から他の働き方を模索しているとしたら、いきなりBやIを目指さなくとも、EやSでなるべく長く働くというのも手の一つです。
E以外の収入源を持つというのは地面への設置面積が増える→安定感は出るのは間違いないですよね。
ベストセラーになった「ライフシフト」という本でも人生100年時代と言われて、望む望まないにかかわらず長く生きる時代です。
そう考えると長く働くことで金銭的な安定感が保たれるのは事実だと思います。
会社員をやめたいぐらいなのに、長く働くなんてとんでもない!と思うかもしれませんが、その「長く働く」というのは決して従業員(E)として働くばかりではありません。
現役世代はどうしても家族や子供を養うために、やりたいことより収入を重視して働いてきたかもしれないですね。
それを長く続けろというのはあまり楽しみにはならないかもしれない。
だから、やりたいこと・やれることを生かしてS(自営業・起業)で人生の後半を収入がある状態にするというのは、悪くない選択だと思います。やりたいことなら長く働きやすい場合もあるかもしれませんしね。
その準備として、生計はまずEで維持しながら、長く働きたくなるようなSの準備をしていくというのも賢い選択ではないでしょうか。
不安に駆られて見切り発車をやめてほしいのです。
いずれにしても今のエリアから安易に飛び出てはいけない
当然ながら、独立起業という生き方は普通に考えてそんな簡単ではないですよね。
SNSで流れてくる情報や広告ばかり見ていると、3・4日勉強して、コンテンツを売れる権利を得てうまくいっているビジネスをあちこちで目にする(気がする)けど、そんな簡単に商売が成り立つわけないですよ。
色々なツールがあることで確かに起業しやすくなったとは感じますが、ビジネスの本質は今だって昔だって変わりありません。にわかに身につけたもので大きな商売がいきなり成り立つほど世の中甘くはない。
S(自営業)で稼ぐためにはちゃんと準備がいるし・自己投資もいる。
会社員では決してできない働き方もあるので私はとても充実していますが、みんながみんな簡単に成功するわけでも、会社員より苦労が少ないわけでも、みんなが会社員同様に稼げるわけではないことを強くお伝えしておきたいと思います。
どこにいても「雨」の日はある。隣の国はいつも晴れているわけではないのです。
そのうえで、BやIとの付き合い方
ビジネスオーナーは不労所得という意味合いでは、万が一自分が労働できなくなってもお金が回る仕組みではあるのでいいですよね。魅力的な文言です。
当然そんな簡単ではないことと、その手の話を聞きに行くとめちゃくちゃネットワークビジネスに勧誘されてちょっとチーン・・・となることが多いこともお知らせしておきます。断りにくくてストレスがすごかったという体験談を多数聞いております。
(あ、ネットワークビジネスが悪いかどうかはわかりませんけれど)
ネットワークビジネスは、一見自分がビジネスオーナーになったような気でいても、実は「E」のようにに使われてしまっていることも多いようですね。
さらにIという方法についても少しお話しします。
本来I(投資家)というのは、そもそも何千万とか億の単位を動かすのがこのエリアなんですが、まあそれこそ私たちには・・・ねえ?
でもね、収入の柱をIにしないでしても、ここの機能があるとないとでは安心感は違います。
私もとってもじゃないけど投資家とは言えないけれど、私たちのような素人は「元手(=まとまったお金)」じゃなくて「時間(=つみたてられる時間)」を使うことで、有利にIの機能を取り入れることができます。
いつかEではなくS(起業・自営業)になって、一時的に不安定になる時期があったとしても、それまでにIを少しずつ増やしておくことで、生きがいとしてのSという働き方を選びやすくなるかも知れません。
それなら、B(ビジネスオーナー)より圧倒的に楽に取り入れられるしね。
いま、普通預金や定期預金財形・貯蓄型の保険ぐらいしかないのだとしたら、Sの副業を考える前に(ましてやBに手を出す前に)Iの機能を搭載することを先に検討してください。
収入を増やしたい、と思うときには起業ももちろん検討の余地ありだけれど、対労力や難易度のことを考えると老後に備えてすぐ取り入れられるのは、小さい「I」の方かもしれませんよ(^^)
どうしたら、今何の知識もない状態から「I」の部分を怖くなく取り入れられるか、取り入れるとどんな安心が得られるかは「増やす力」アップセミナーでも丁寧にお話ししています。実際に始めたい場合はiDeCoタートアップ講座へどうぞ。
(何一つ勧誘するものはありませんのでご安心ください)