起業しようと思うときに必ず耳にすることがある「開業届」
出した・出さない、必要・不要、メリット・デメリット・・・・
色々聞くことがあると思いますが、そもそも開業というのが何なのかわからなければ開業届について理解することもできません。
起業するときに必ず知っておきたい開業についての基本知識をお届けします。
もうけには税金がかかる
開業、それすなわち「事業を開始する」ことですね。
「起業」という言葉となんとなく似ている感じがしますが、一般的に「開業」というと税金上の届け出をイメージすることが多いようです。
日本ではお金をもらって「もうけ」が出ると税金がかかるようにできています。
手にしたお金の種類ごとに分類が決まっていて、全部で10分類あります。
用途別に10種類のお財布があると考えるとわかりやすいかもしれませんね。
例えば、給与は「給与所得」というお財布にお金が入ります。
そのほかにアパートや駐車場を貸してお金を得ていれば「不動産所得」
資産運用の配当金は「配当所得」
このように10種類のお財布に分かれてどこかにお金が入ります。
そのお財布に売上などもらったお金が入り、そのために必要なお金はそのお財布から出ていくというイメージです。
貰ったけれどどこにも入らないのは、いわゆる「非課税」所得といわれるもの。
一般的にもうけとはいわない種類のものですね。
例えば、損害賠償金や損害保険、出産手当金、育児休業給付金、遺族年金、生活保護、香典などです。
そのほかに自分の家で使った生活用のものをリサイクルで売る場合などももうけとは言われないものです。
それ以外は例え1円だろうと、どこかの財布に入ることになっています。
少額だから、副業だから、女性だから、主婦だからどこにも入らないということはありません。
原則としてもらったお金はどこかの財布に入り、その中で生じたもうけには税金がかかると覚えておきましょう。
「開業届」って何?
では、自分が講座を開く・お客様にサービスを提供するなどしてお金をもらったらどの財布に入るでしょうか?
選択肢は2つあります。
一つは「事業所得」です。
これはわかりやすいですね。
事業を行って得たもうけはこの財布に入れることができます。
いわゆる経費と呼ばれるものもこの財布から出ていき、この財布でのもうけ=事業所得が決まります。
そして
もう一つのお財布が「雑所得」です。
このお財布の定義は、”ほかの9つの財布に入らない種類もの”という、いわゆる『その他』というお財布です。
何も届け出をしていない場合は、その他のお財布=「雑所得」にお金が入ってきているイメージです。
そして(特に届出等をせず)「雑所得」のお財布でもうけを計算しているものを、「これからは事業という財布の中でもうけを計算します」と宣言するのが『開業届』になるのです。
届け出先は、税務署と県税事務所となっています。
わざわざ申告するお財布の種類を変えて事業所得に変えるとどんなメリットがあるのかはこちらの記事でわかります。 開業届とは、収入を「事業所得」で計算するという届け出です。 ▼事業所得・開業届が何なのか知っておかないとこの後話が分かりにくいので先にこちらの記事をお読みくださ ...
扶養内で開業届を出すメリットとデメリット
まとめ
- 非課税のもの以外は、もらったお金はどこかの財布に入る。
- 副業という財布はなく、もらったお金の種類で分類されている。
- サービスを提供してもらうお金は「雑所得」もしくは「事業所得」
- 「事業所得にします!」という届け出が『開業届』
給与とはまったく違う性質のお金であることをしっかりと意識しておきましょう。