「青色申告」という言葉を聞いたことはありますか?
もしかしたら、子供のころわけもわからず習字で書かされたという記憶かもしれませんね。
年明けから書店などでも「確定申告」「青色申告」という文字を目にすることがあるかもしれません。
個人事業・起業をしようと思ったら、必ず知っておいてほしい言葉です。
青色申告は節税するためのもので売り上げがたくさんある人だけが関係のあることだ、と思っている人も多くいます。
ですが、赤字の時こそ使えるメリットもあります。
ぜひ、青色申告の基本を知り、開業をするかどうか考えるときに一緒に検討していただきたいと思います。
青色申告とは?
青色申告をとても簡単に言うと「事業のもうけを計算するときに、有利な取り扱いを受けることができる制度」です。
ポイントは、
-
- 事業のもうけの計算
- 有利な取り扱い
というところ。
『事業のもうけの計算』ですので、事業所得でなくてはいけません。
つまり、開業届を出さずに「雑所得」だと青色申告をすることはできないのです。
青色申告で有利になることとは
青色申告のメリットは色々ありますが、ママ起業でメリットを感じやすいいくつかをご紹介します。
10万円もしくは65万円の特別控除
青色申告が節税になると言われる一番の理由は、この65万円の控除にあります。
売上からかかったお金(経費)を引いたものが、事業のもうけになります。
そのときに経費のほかに10万円もしくは65万円を引くことができるのが、この「特別控除」と呼ばれるものです。
10万円になるか65万円になるのかは、お金の動きの記録の方式によって決まってきます。
この特別控除は実際にお金を払うわけではないのに、売上から引いていい数字ですので、税金がかかる元である『もうけ』を小さくすることができるのです。結果として税金が安くなるので、節税になると言われるのですね。
3年間の赤字の繰り越し
事業を始めてすぐは、売上が思うほど上がらず赤字になることがあります。
もうけが出ず赤字の場合はもちろん税金は発生しません。
雑所得や白色申告の場合は「もうけは出なかった=税金はかからなかった」となり、それでおしまいです。
ところが、青色申告の場合はこの「赤字」の金額を次の年にもっていくことができます。
次の年にもうけが出れば、その黒字と前の年の赤字を相殺することができます。
前の年にかけた先行投資の赤字を黒字が出たときに生かすことができるのです。
この赤字は3年間繰り越していくことができます。
3年以上続いてしまった場合は、古い部分の赤字から消えて行ってしまいます。
事業を続けていく場合は、うまくいくときもうまくいかないときもあります。
うまくいかない・まだもうけが出ていないうちでも、その後の利益のために貢献するためにも、はじめから青色申告が有利だと言えるのです。
家計と事業で両方で使っているものも、事業分は経費にできる
インターネットや携帯電話など、プライベートでの使用と事業での使用が混ざっているものはないですか?
青色申告の場合は、家計と事業が混ざってしまっているものでも事業に使用した分は「経費」にすることができます。
白色申告の場合は「50パーセント以上」事業に使っているものしか経費に入れることはできませんので、これも青色申告のメリットといえますね。
10万円以上のものでも一度で経費にできるものもある
白色申告では10万円を超えるものを買った場合は、レシートがあっても一度では消耗品などの経費にすることができません。
お金は出ていくのに、そのときは経費にならず、国に決められたルールで少しづつ経費にしていくしかありません。
ですが、青色申告の場合は10万円を超えていても30万円未満なら、一度で経費にできるという「特別ルール」を使うことが許されています。
ママ起業ではそれほど大きな設備投資はないことがほとんどですが、パソコンやカメラなど10万円をこえてしまうものはないともいいきれません。
『減価償却』と呼ばれるちょっと面倒な手続きをすることなく、一度で消耗品と同じように経費にできるのはメリットではないでしょうか?
事業を続けていくなら初めから青色申告
青色申告には確かにデメリットもあります。
あらかじめ届け出が必要だったり、お金の記録を決められたルールで取らないといけないなど、初めて一人で行うには少しハードルが高いかもしれません。
ですが、事業を続けていくつもりだとしたら、規模が小さいうちに・複雑な取引になる前に、「事業のお金の基本をしっかり知る」「事業として社会に認められる経理」を身につけてほしいと思います。
基本的なルール本業に専念できる方法を知っておいてくださいね。