お小遣いはいつから?お小遣いはいくらあげたらいい?今日はそんな疑問に現役子育て中FPが回答します!
私のところにご相談に来ていただく方は、小さいお子様をお持ちのお母さんが多いため、子供のお小遣いについて相談を受けることも多くなってきました。
初めに結論を言ってしまうと、ご家庭によってケースバイケースで正解はありません。
なのですが、それではあんまりにも説明を端折りすぎですので、今日はいくつかのポイントをお伝えしたいと思います。一人で出歩く機会が増える中高生はちょっと今回の話では置いておき、小学校低学年までのお子様をイメージしてください。
お金の役割って何ですか?
まずは「お金の役割」って何なのか考えてみてください。
お金の役割は「交換・尺度・保存」と言われています。
当たり前のようにどの役割も利用していますが、こうやってちょっと客観的に見てみるのも面白いですね。ここではあえて解説しませんので、小学校高学年など、ちょっとお子さんが大きくなっていたら一緒にそれぞれの役割について考えてみるのも面白いかもしれません。
では、あなた自身にとって「お金」ってなんですか?
簡単そうでこの深い質問も、ちょっと考えていただきたいと思います。よかったらご主人とシェアしてみたり、インターネットで調べたりしてみてください。
お小遣いでなにをしよう
お小遣いをどうするか問題が立ち上がったということは、お子さんが欲しがったのか、もしくは子どもの学年や年齢からそろそろ・・・と考えたのかもしれませんね。
先日は、子供が突然「お小遣いが欲しい!」と言い出したがどうしたらいいか、というご相談がありました。
小学校1年生のお子さんです。
こんな言葉が子供から出たら、まずはお金に興味をを持ったことをほめてあげてください。生活の中に「お金」というものがあるのだという重大事件に気づいたのですから(^^)
そして次は、『そのお金で何がしたいの?』ということをぜひ聞いてみてください。小さいお子さんなら、ただ「お金」というものが欲しい。という場合もあります。この場合のお金は大人の思う「お金」とはちょっと違いますね。
もし「★★が欲しい」と言われたら、とっても大事な一言です。★★を手に入れるにはお金が必要だということが分かっているわけですから。
『お金がないと手に入らない』
当たり前なのに多くの貯金ができない大人が忘れていることです。だからお金がないのにクレジットカードで来月の自分に借金をしてしまったりするんですね。
親はお小遣いを通じで子供に何を望むのか
お小遣いを渡すもよし、渡さないも良しですが、渡すとしたらそのお金で子供に何をしてほしいのでしょうか?
買い物体験ならお使いで事が足ります。何かを与えたいなら買ってあげれば済む話です。あえて「お小遣い」にしようとする理由は何だろうかと考えてください。なんとなくお金をもらって、なんとなく使うことほどよくないことはありません。
(もちろん、そういう使い方が一部あってもいいと思いますよ)
家庭内(夫婦の)価値観の再確認と言語化をすることが必須です。もし専業主婦の場合はお金の出元は夫の労働かもしれません。決して母親の一存だけで行わないようにしてくださいね。
お小遣いの渡し方「定額制」「お手伝い制」
お小遣いの渡し方は大きく分けて2通り。「定額制」と「お手伝い制(報酬制)」です。基本は定額で報酬制もあるというミックスしているケースもあるかもしれませんね。それぞれの特徴はこのようになっています。
定額制
毎月や毎週など決まった時期に決まった金額を渡す方法です。
やりくりを覚えるという意味では、月に一度渡して次のお小遣いの日まで計画的に使うこの方式が一番適しています。ただ、お子さんが小さかったり衝動的に欲しいものを買ってしまう場合などは、初めのうちは週渡しにするなどして親がコントロールしてあげてもいいと思います。
ただ、何もしなくても「お金がもらえる」ので、お金はどうやってもらえるかという概念は育ちにくいです。渡すお金がどうやって生み出されているかを丁寧に教えていく必要があるでしょう。
定額制の場合の重要なポイントは「決めた日以外に追加しない」ことです。前貸しは厳禁。使ってしまえばなくなるのだ、ということを小さいうちにしっかりと覚えてもらいましょう。足りないからちょうだい、では金銭教育にはなりません。(大人でもこういう人いますよね・・・)
ここを親がしっかりと守れないならお小遣いは渡さない方がいいですね。
お手伝い制(報酬制)
お手伝いをするとその内容や量に合わせてお小遣いがもらえるという方法です。
こちらは「お金は働いてもらえる」ということが伝わりやすく、お金をもらうのは簡単ではないことが伝わります。
この場合は「何をするといくら」かという設定が大事です。自分のことを自分でして報酬が発生するのではいけません。自分のことも何もせず、好きなことだけしてお金をもらうのではそもそも「労働」ではなくなります。
この方法は、子供が「お金をくれないなら手伝わない」ということになったり、親が「お手伝いはお金のためにするものではないのではないか」と感じるなどの問題があります。
自分のことや、家族が気持ちよく暮らすために家のことをするのはお金とは関係なく当たり前だと伝え続けていきましょう。家庭の価値観や仕事のクオリティなども含めて、何をしたらいくらもらえるのかを親側がしっかり決めておくのも重要ですね。
お小遣いの額を決めるのに一番大事なこと
お小遣いの金額は、学年×100円・年齢×100円・お手伝い一回当たり10円・・・など本当にいろいろなご家庭があります。
自由に取り決めていただいていいと思います。
その代わり何より大事なことは「そのお小遣いで賄うべきものは何か」というルール決め。
これは、夫婦のお小遣いだって同様です。
お昼代は込みなのか?美容院は?化粧品は?飲み会は?そういう、お小遣いで払うべき内容を取り決めて金額設定をしなければいけません。
子供の場合も当然取り決めが必要です。
今まで通り何でも買ってもらえて、さらにお小遣いがもらえるのだったら、やりくりを覚えることはありませんよね。
大事なのは「必要なもの」「ほしいもの」どちらもお小遣いで賄うように設定することです。
ノートや鉛筆などの文房具でもいいですし、お友達と遊びに行った時のお菓子、一人で習い事に行くのなら交通費。お稽古に行く途中のジュース代。
欲しいものばかりを買ってしまうと必要なものは買えなくなるということがわかり、「必要なお金はよけておく」ということが身に付けば、ほぼやりくりはできるようになったといってもいいでしょう。
大人になったら取り扱う金額が大きくなるだけで、基本は一緒です。
学校で使うノートだとしても、シンプルなものが100円でキャラ物が150円だとしたら、100円は親が出す。それ以上は自分が好きで買うのだからお小遣いで、などという取り決めもいいですね。
一方的に決めつけずに、多少の融通や遊び心はもちつつ軸を大きくぶらさないことが肝心です。
たくさん失敗させてあげて
お金の使い方には口を出したくなるかもしれませんが、渡したお小遣いには口を出してはいけません。小さいうちはお小遣い帳を一緒につけたりできるといいかもしれませんが、使いみちは本人に任せましょう。
一日で使い果たしてもいい。どうでもいいものを買ってもいい。使ってしまって、お友達と出かけるときになにも買えなくて残念な気持ちになってもいいのです。
お金がないと物は買えない。お金は空から降ってこない。
この大事な基本だけ分かっていれば、ほぼお小遣いでの金銭教育は完了したようなものです。
そして、肩ひじ張って「金銭教育!」となるより、まずは自分たちのお金の使い方を見直してみてください。親が一番の生きた教科書になるはずです。