6月というと「副業がバレた!」と青ざめてご相談に来る方がいらっしゃいます。
辛口で書かせていただくとすれば「バレて困るような副業はするな!」「覚悟が足らん!」といいたいところですが、それはあまりにも"おりこうさん"の意見ですね。
バレてしまったものはもうなかったことにはできませんが、バレる仕組みを知ることで決まる覚悟もあるかもしれません。
住民税の特別徴収(給与天引き)の決定通知書をもとに、解説していきます。
今働いている会社が「主たる給与」です
お金の貰い方の種類によって、入る財布が違います。
こちらの記事で復習してみてください。
いま会社で働いてもらっている給料は「給与」というお財布に入っています。
給与のお財布は一つしか持つことができません。
ですので、副業が「給与」の場合(ほかのところでアルバイトするとかね)同じ財布にお金が入ってきます。
ですが、給与の副業がある場合はどれか一つを「メイン」それ以外を「サブ」と決めることになっています。
メインの給料のことを「主たる給与」といいます。
住民税の給与天引きの用紙を見てみましょう。
この用紙は「主たる給与=メインで給与をもらっているところ」に送られてくるものです。
この場合「主たる給与以外の合算所得区分」のなかの「給与」のところに「*」マークがついていますね。
ということは、主たる給与(この紙が送られてきた会社)『以外で』給与をもらっている金額が合算されているということがわかります。
給与という財布は一つしか持てませんから、住民税の計算は合算されてしまいます。
つまり、原則として「副業が給与」の場合はこのように記載されてしまうので隠すことはできません。
ほかの種類の所得でも「住民税の計算を合算」すれば載ってくる
給与同士は一つの財布なので合算するしかありません。
メインの給与の住民税・サブの給与の住民税とは区分けできないことになっています。(給与所得控除と呼ばれる存在のせいでしょうか)
しかし、別の財布・・・例えば起業の場合は「営業等(=事業所得)」 or 「雑」のどちらかになりますが、そこからの利益から計算される住民税は「自分で納めます(普通徴収希望)」と確定申告の時に記入することができます。
そうすると、この住民税の用紙には載って来ません。
住民税も合算して計算して、給与から天引きして払いたい場合は合算する財布の種類のところに「*」マークが月「その他の所得計」のところに合算する金額が入ってきます。
特に気を付けたいのは赤字を相殺すること
給与の財布同士は隠せないけれど、事業所得や雑所得なら「住民税は別計算(普通徴収)」にしてもらえばいいのでしょ?
と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
気を付けなければいけないのは「合算しないと計算できない場合」です。
つまり、給料と事業の赤字を相殺して住民税を計算しなくてはいけないケースなのです。
住民税は所得税と違い「後払い」の税金です。
ですのでマイナスになって還付を受けるということはありません。
マイナスがあるとしたら、ほかのところからの住民税から差し引くしかないのです。
つまり、強制的に合算されてしまうということです。
黒字と赤字の相殺。いわゆる「損益通算(そんえきつうさん)」は節税になりますので、正しく使えば有利なものですが、申告したことによって会社に伝わってしまうことがないとは言えません。
バレて困るなら覚悟を決めてから副業起業をする
今どき副業禁止なんて・・・と思わなくもないのですが、会社の就業規則として「副業NG」と書かれているのなら、やはりルール違反はルール違反です。
バレてどうしても困るようなら、副業起業はやめましょう。
バレたときはルール違反をしたんだから、と甘んじて処分を受け止める覚悟がない場合はおススメしません。
副業禁止の会社で副業起業をすること自体を私が口出すことはありませんが、少なくとも知識がない状態では丸裸で戦場に行くようなものです。
副業禁止という時点で自分が向かおうとしているのは戦場。
身を守るために住民税についてもこの機会に覚えておいてくださいね。
また、副業がバレても困らないという場合でも、この用紙を使ってふるさと納税の上限額を試算したり、保育料がいくらになるか調べることもできますので、ぜひどこに何が書いてあるかぐらいは知っていただきたいと思います(^^)