給与水準は決して低くなく、福利厚生も充実させるように努めているのに従業員の士気が上がらない。不満が多く、なんとなく退職していく社員がいる。定着率があまりよくない。給料を上げればいいかもしれないけれど、簡単にできることではない。そんなお悩みはありませんか?
せっかくの社会保険や福利厚生も「ありがた迷惑」と思われているとしたら
私は普段は主に「雇われる側」である、給与所得者のライフプラン支援の仕事をメインとしています。ですが、前職は税理士事務所で10年以上、法人や個人の経営者側をクライアントとして「雇う側」の支援をしていました。やはり経営者側と従業員側の間に大きな川が流れている、いつもそう感じていました。
残念ながら一般の会社員の多くは、会社側がいかにコストや苦労を重ねて社員を雇用しているかは知りません。雇ってやっている・働いてやっている、とまでは言いませんが、雇う側と雇われる側には「給料の価値」について大きく認識の違いがあるのです。
社員を社会保険に加入させる、その一つをとっても会社側としてはコストをかけて手続きの手間をかけて・・・いくら法的に義務があるとはいえ決して簡単なことではありません。ですが従業員側からすればなんのその「何だか知らないけど手取りが減って迷惑」ぐらいのとらえられ方をしていること非常に多くありました。それくらい今の日本の現状では公的保険を含め、お金に対する知識がいきわたっていないといっていいでしょう。
お金の知識がないゆえに、毎月の固定給を受け取りながらも、収支が正常に成り立たず経済的不安を抱えたりローンを重ねていくなどの問題も多く見受けられます。
何より会社が歯を食いしばって払う従業員の給料が、社員の人生をより豊かにするために貢献していないとしたらますます残念でなりません
「会社で働けるってありがたかったんだなぁ」
私のライフプラン相談には働き方を変えたい・会社を辞めたいというご相談も多く寄せられます。給料が安い、ボーナスがない、仕事が大変、子育てと両立できない・・・・そんなお悩みは枚挙にいとまがありません。
もちろん会社を離職するのが本人にとってベストな選択肢であればそれを支援しますが、「給料をもらうのは当たり前」「通帳に振り込まれてくる金額を会社が払っている」と思っている場合には、そうではないことを丁寧に説明をしています。
私が雇っているわけではありませんので、会社がこれだけしてくれているんだと恩を着せる必要もありませんが、社会保険を掛けるというのはどういうことか。それを自分でしたらどうなるのか。この額を通帳に振り込む「前」にどんなことが起きているのか。産休中や育児休業中、見えないお金がどう動いているのか。退職金ってなんなのか。そんな、制度としては「あたりまえのこと」を、それぞれの個人に置き換えて知っていただきます。
決して恩着せがましく伝えなくても「会社ってありがたいんですね」「フリーランスになる前にもっとよく考えます」「やめたいと思っていましたが、まずは会社に重宝される人材になれるようにします」「働くのが前向きに考えられました」こんなご意見をたくさんいただきます。
「知らない」という深く広い川に、小さな橋が架かったと感じる瞬間です。
新しく加えなくても、いま「ある」ものを伝える
社会保険制度や退職金制度を担当していると、これらのことは「当たり前に知っているもの」と感じてしまいがちですが、残念ながらほとんどの社員はそのようなことを知りません。お金に関する知識不足が原因で、すでに会社が与えているものを受け取れていないのです。
賃上げやさらなる福利厚生の充実ができるに越したことはありません。ですが「お金との付き合い方」という”受け取る力”がつく前に、これ以上のものを渡してもその効果は限定的です。「受け取る力」とは給料や社会保障に対する理解です。
会社が従業員のライフプラン設計やマネーリテラシー向上のために行う施策は、従業員の「受け取る力」を高めることに直結します。
会社がすでに提供している当たり前のことを「受け取る力」を向上させることで、新しく何かを加ええなくとも従業員のモチベーションを格段にアップすることができるはずです。
「給与明細の見方」や「ねんきん定期便から知る社会保障」など、従業員側から人気のあるテーマでの研修も承っています。
会社の制度に合わせた研修が可能です。目安となるご提供メニューについてはこちらをご覧ください。