いろんなところでiDeCoができるみたいだけれど、どこがいい?どんな特徴があるの?
そんな疑問をお持ちかもしれません。
今回は、auカブコム証券の担当者に直接取材に行った様子をお届けします。
iDeCoは口座管理手数料がかかる
まず、取材のお話をする前に知っておいていただきたいのが「iDeCoにかかる手数料」
iDeCoは加入時以外にも毎月手数料がかかります。
◆国民年金基金連合会(105円)
◆信託銀行(66円)※
◆運営管理機関手数料(金融機関ごとに設定)★★
(※)一部金額が違うところもあります
この運営管理機関手数料★★が条件なしで「0円(無料)」なのは2021年1月現在9つの金融機関です。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- 松井証券
- イオン銀行
- 大和証券
- 三井住友銀行(みらいプロジェクト)
- auアセットマネジメント
そして今回取材に伺ったauカブコム証券は新たに金融機関手数料が0の運営管理機関に加わりました。
auカブコム証券は「受付金融機関」
実は、auカブコム証券は受付金融機関です。
運営管理機関は「auアセットマネジメント」
auのiDeCoと同じところですね。
auアセットマネジメントのプランが「auのiDeCo」と「auカブコム証券証券のiDeCo」と二つあるようなイメージをしてみるとわかりやすいかもしれません。そのため、似通ったところもいくつも見受けられました。
一番大きく違うのは商品数です。
画像等参照:
auカブコム証券iDeCo / auのiDeCo
auカブコム証券で聞いてみました!
2019年4月に新しくiDeCoに参入してきたauカブコム証券。
どんな意図・特徴があるのか、FP相談ねっとの山中代表・同じくFP相談ねっとの「ポイント投資」の第一人者の野原FPとともに取材してまいりました。
Q:なぜ今iDeCoに参入したのか?
運営管理官手数料0の金融機関が次々に登場し、それぞれが独自のプランや特徴を打ち出す中で、この時期に参入してきた意図があるのかを伺いました。
この件に関しては
とのこと。タイミングを計って参入したというよりは、準備できたタイミングで参入してきた様子。特にそこに戦略はなさそうです。
Q:リリース後の顧客の反応はどうか?
auのiDeCoは5商品であるのに比べて、カブドットコム証券のiDeCoは取扱商品は27本。
リリース後の反応はどうでしょうか。
だそう。
auカブコム証券(旧「カブドットコム証券」)の既存のお客様は40代~60代で本来の強みである株式売買のお客様が多いとのこと。
これからはiDeCoやつみたてNISAのサービスを提供することで、20代~30代の資産形成期のお客様、とりわけKDDIをすでにご利用いただいているお客様には「投資の入り口」として使っていただくことを目指していくようです。
金融機関としても、新たなお客様と出会うための入り口として若い人向けにiDeCoのサービスを展開していく印象でした。
Q:商品ラインナップについて
後から入ってくるプランは既存のプランなどの動向を見ることができるものですが、そのあたりも含めて商品ラインナップについてはどんな意図があるのか聞いてみました。
実際に、インデックス型の商品としては、株式(国内・先進国・新興国)、債券(国内債・外国・新興国)、REIT(国内・先進国)、ゴールドとまんべんなくナインナップしてあり、アクティブにはバイオやロボなどのテーマがあるものも入っています。
バランスファンドもリスクの度合いに合わせて5つあり、ターゲットイヤーは5年刻みで6本がラインナップ。
信託報酬だけ見るとややほかの運営管理機関よりは高いものもあるものの、組み合わせるためのパーツは十分そろっていると言えそうです。
具体的な商品についてのページはこちらから
auカブコム証券のiDeCoのウリは?
iDeCo自体は公的年金とも密接に関係する制度のため、金融機関が簡単にルールを変えることはできません。
申込書類なども、国民年金基金連合会が間に挟まるためになかなかペーパーレス化が進んでいない現状。
どこの金融機関にお話を伺っても、お客様への利便性と制度自体の縛りの中で色々な工夫をしているようです。
では、auカブコム証券のiDeCoのポイントはどんなところでしょうか?
auカブコム証券のiDeCoでポイントが付く商品はバランスファンドの中の2つ「auスマート・ベーシック(安定/安定成長)」「auスマート・プライム(成長/高成長)」です。
老後のためのお金の積み立てにさらにポイントが付くのは面白いですね。すでにauで通信契約があったり、これらの商品を買おうと考えているのならよりお得に利用することができそうです。
スマホでできることが格段に多くなっている中、実際にパソコンを保有していない人も増えてきているよう。そんな場合もスマホアプリの操作性が良ければ利用のハードルは下がるのかもしれませんね。
また、資料請求をしたものの何かお困りごとがあり申し込みに至れない場合は、電話などで困りごとがないかサポートなどもしているようです。
今後はつみたてNISAなども合わせて資産形成の後押しを
現状、iDeCoは一般的な会社員の掛け金上限が23000円。公務員は12000円。
会社に企業年金がある場合などはiDeCoを併用して開始することができないケースもあります。
そうなるとiDeCoだけでの資産形成では足りないことも十分に想定されます。
auカブコム証券はつみたてNISAにも力を入れており、金融庁の基準をクリアしている商品のほとんどをラインナップしています。iDeCoだけではなく、つみたてNISAや端株のつみたてなどを通じて、資産形成の後押しをしていきたいとのことでした。
FPナナコの個人的な感想
これはFPナナコの個人的な感想です。
iDeCoは長い期間の積立・運用になるため手数料は無視できません。その点、金融機関の手数料は0となっている金融機関は限られているため、iDeCoを始めるときの候補には上がりそうです。
インデックスで投資するなら、「つみたて」シリーズは信託報酬も低めなのでまあOK。海外債券はちょっとイマイチな気がします。
アクティブファンドはバイオとかロボは何もiDeCoでやらなくてもいいと思うと、ラインナップとしてはちょっと心もとない感じです。
指定のバランスファンドを保有するとポンタポイントが貯まるという特典がありますが、その還元率もauの通信契約がないと低く設定されているので「ないよりはマシだけど、そのために選ぼう」とまでは言えなさそうです。
一例ではauスマートプライム(高成長)での積立を選び3%平均で増えた場合に40年で約33万ポイントとシミュレーションされています。ところがこの商品の信託報酬は「年率1.338425%~1.590325%」と高い!ポイント目当てに保有するにはちょっとハードルの高さを感じます。
スマホからの使いやすさは検証できませんが、auユーザーで、自分が買いたい商品がラインナップされているなら悪くないのかも。個人的には楽天やSBIを超すほどの魅力ではないかな、と感じています。
指定運用商品が定期預金ではありませんので、とりあえず初めて何も指示をしないとバランスファンドが積み立てられます。同じほったらかしなら定期預金よりはバランスファンドの方が良いと思いますが、知らずに驚かないように気を付けてくださいね。