過去に戻ってやり直したい
私にはそう思うことはない。
たった一つの出来事を除いて、は。
平成22年2月2日
これが私たちが家族になった日。
物事や場所が変わることに
すごくストレスを覚える私と
なんでもすぐに対応できる夫。
結婚して二人で暮らすことになったときも
義母と折り合いがうまくいかなかった事件も
妊娠・出産・産後クライシスすら
夫の我慢で成り立ってきた部分が大きかった。
「これじゃあいけない」
そう思ったのは、
下の子を出産して入院しているとき。
近くに住む自営業の父
私のために2時間かけて通勤するサラリーマンの夫
まだ1歳の上の子。
どう考えても、
実家の協力を得るのが合理的だった。
きっと今だってそうすると思う。
だけど、
私は黙って夫を蚊帳の外に置いてしまった。
退院の日、
上の子と迎えに来てくれるはずだった夫の口から
『お義父さんが迎えに行くっていうから
おれはいかない』
そうやって言わせたのは
間違いなく私だった。
あのとき、
私も必死だった。
初めて上の子と離れる寂しさ
出産という大仕事
産後の授乳と眠れない時間
でも、
一番の家族のはずの夫を
話もせずに勝手に蚊帳の外に置いたことを
いまも本当に後悔している。
荷物の片付いた病院のベッドに座り込んで
3キロの子供を抱きながら
「迎えに来てよ
家族4人で帰りたいよ」
そうやって泣いたことを
私は忘れない。
あのときごめんね
軽く言うには
私の中でまだ消化できていなくて。
謝って過去のものにするには
後悔が大きすぎて。
私たちが結婚した平成がまもなく終わり
「結婚何年目か数えにくいね」
なんて笑いながら
いつか夫が
「あのときはほんと頭来た」
って言って
私が「だから悪かったって」
って笑える日が来るまでは
ずっと償っていくつもり。
大海原のように広い夫の心も
嵐の日があるのだと忘れずに
結婚9年目も過ごしていこうと思う。
きっと来年10周年を迎えても
スイート10ダイアモンドは贈りませんが(笑)
その分も払い出さずに私に預けておけば
死ぬまでお金には困らない暮らしを約束します。
平和な結婚9周年。
二人で肉まん食べて終わりました(笑)