虫眼鏡の男の子
 ー この記事を書いた人 ー
ファイナンシャルプランナー 塚越菜々子

塚越 菜々子 「FPナナコの部屋」主宰

保険や金融商品を売らないファイナンシャルプランナー。日本FP協会認定CFP®。「働く女性のお金の不安を解消したい」思いで、主に共働き女性に公的制度や家計・投資などお金の話を伝えています。

扶養に入る・外れる

【103万ってその中途半端な数字、いったい何?】税金基本の「き」

よく103万に抑えれば、税金がかからないとか、
103万を超えて働くと扶養には入れないとか、
色々聞きますが、
ところで103万ってなんだ?
って思ったことありませんか?

ママスマ・マネーコーチ
塚越菜々子です。

今日は、
賢いママなら知っておきたいお金の基本

『103万円ていったい何の数字?』

をお伝えいたします。

給料明細と電卓

◆自分のお給料に税金がかかるかどうか、の話

お給料をもらうと税金がかかります。
その税金のことを「所得税」と言います。
(ちなみに、所得税はお給料以外にもかかります)

ただし、もらったお給料全部に税金がかかるわけではありません。

働くって言っても、なんだかんだお金がかかりますよね。
自営業の人だったら、売るためのものを買う仕入以外に、
お付き合いやら、電話代やら、交通費やら色々かかる「経費」
をちゃんと申し出れば、そこは税金がかかりません。

でもサラリーマンじゃ、それをするのは大変です。
例えば出勤する洋服一つとっても、どこが仕事用でどこが自分用か、分けるのは至難の業ですので。

そこで、現れたのか、「給与所得控除」という仕組みです。

 

◆給与所得控除=みなし経費

ハッキリと、これは仕事にかかるお金、これは家庭用と分けるのは難しいので、
じゃあ、だいたいの金額で決めときましょうよ
というのが、「みなし」経費です。
(みなす=仮にこれくらいと決める。)

これはお給料の多さによって変わります。
100万の給料の人と、500万の給料の人が同じだったら不公平でしょ、ってことですね。

このみなし経費のことを、税金用語で「給与所得控除」と言います。
給料の金額によって、あらかじめ決まっています。
(調べたい人は国税庁のHPへゴー)

 

◆103万円ならみなし経費は65万円

103万稼ぐ人は、65万円がぐらいがみなし経費でしょ、と国が勝手に決めています。
(ちなみに180万円までは65万円ということになっています)

まず、この65万円部分は税金はかかりません
(働くにあたって必要なお金だから、税金かけられたらひどいですもんね)

では、103万円から65万円引いてみましょう

カッチョよく暗算と行きたいところですが、繰り下がるので電卓で・・・(笑

できました?
答えは38万円です。

給与所得控除を引いたこの金額のことを給与『所得』と言います。

 

◆じゃあ残りの38万円には税金がかかるのか!?

上で65万円部分には税金はかからないことが分かりましたね。
華麗なる(電卓での)計算の結果、
残りの「給与所得」は38万円となりました。

では、この38万円部分に税金がかかるのでしょうか

答えはNOです。

NOという女性

◆誰でも引いてもらえる「基礎控除」というルール

税金を計算するときに、
一律で誰でも引いてもらえる「基礎控除」というものがあります。
どんな収入の人も38万円と決まっています。

上での計算結果、給与所得が38万円でした。
では、そこから誰でも引いてもらえる基礎控除38万円を引いてみましょう。
38-38=

(ここはさすがに暗算したいところ)

答えは、「0」ですね。

103万から、
国の決めたルールに従って65を引いて
だれでも引いてくれる38を引いたら、
答えは0

つまり、税金をかける元が0になりました。
0にいくら税率をかけても0

なので、103万円までは自分の給料に税金がかからないということですね。

 

◆夫の扶養に入るためには「所得38万円以下」

ここまでの計算で、103万までは自分に税金がかからないことが分かりました。
さて、夫の扶養に入るのに必要な条件はこちら

(国税庁より)
控除対象配偶者とは、
(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

おおう、途端に専門用語のにおいがプンプン・・・。

まあ、簡単に言うと
1)ちゃんと届けを出して結婚してる人。同棲じゃダメよ
2)一緒に暮らしているとか、仕送りしているとか、基本的なお金を一緒にやりくりしてる
3)所得が38万円以下 ←コレコレ!ここまで説明してきたやつ
4)個人事業をやってる夫から給料もらってたらダメよ
って感じです。

ね、ここで出てきたでしょ、3)!
税金のルールをお話しするときには、ほとんどが「所得」をベースに話が進みます。
収入ではないんですね。

上で見たように、給料収入が103万の人は、65万を引いて、「所得が38万」でしたよね。

だから(他の条件が当てはまっていれば)103万円までは夫の扶養には入れるというわけです。

疑問に思う女性

◆じゃあ扶養に入ると夫はどうなる?

うーん、長くなってきて混乱してきましたか?

103万円(=所得38万円)までなら
●自分に税金はかからないし、
●夫の扶養にも入れる。
ということが分かりました。

夫の扶養に入ると、夫はどうなるのでしょうか。

夫の場合も、給料の税金の計算の仕方は同じです。

わかりやすく、夫の給料を180万円だとしましょう。
(実際にはこれじゃあちょっと少なくて心もとないですが・・・・)

まず給与所得控除を引きます。180万円までは65万円でしたね。
180-65=115万円。
これが「給与所得」です。

そこから、誰でも引いてもらえる基礎控除(38万円)を引きましょう。
115-38=77万円。

本来ならこの77万円に税金がかかります。
が、夫の方からしたら、
『妻を養ってる(扶養に入れてる)から、税金を安くしてくれ~』
ってわけですよね。

妻が扶養に入るとどうなるか。

さらに38万円引けます。
配偶者控除は38万円と決まっています。変動はしません)

配偶者控除とは「妻を養ってる割引」だと思ってくれればいいでしょう。
(言い過ぎか・・・?)

77万ー38万=39万円。

税金がかかるのは、この39万円の部分だけになります。

最後まで長くありがとうございました。

最後のほうはオプションです。
103万を分解すると、65+38万円だよ
ってことが分かれば、まずはオッケーです★

 

 

 

 

 

 

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