共働き家計にゆとりを増やす専門家
保険も金融商品も売らないFPの塚越菜々子(つかごしななこ)です。
「子どもとお金」
切っても切り離せない問題ですね。
3人目が欲しいけど経済的に無理かも…でも諦めきれない。
産んだら何とかなるよと言われるけど、育てるのはこっちだよ…と釈然としない気持ち、抱えていませんか。
- 「お金もないのに3人目を産むのは親のエゴだ」と言われて悩んでいる。
- 菜々子さんはどうやって子供の人数を決めました?
というご質問をいただきました。
今日は「子どもの人数が決められないときの考え方」をお伝えしてみようと思います。
子供を産むのは親のエゴ?
エゴ・・・・・・エゴイズムの略 - 自己の利益を重視し、他者の利益を軽視、無視する考え方。
ーWikipediaより
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経済的心配をしながら、
子供をもう一人産むのは、
親のエゴなのか
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言われたこと・思ったこと、ありますか?
『子どもってお金かかるし、産んだら自分の時間が無くなるからいらない』
ここまで思うということはないでしょうけれど、子供を持つことがここまで悲観的にだけとらえられていると、ちょっと悲しいなと思うことがあります。
(時には、その方が自分を納得させるためにわざと言っているということもありますね)
私は、子供がない人生も素敵。
そう想います。
以前一緒に働いていた同僚も子供を持つことはせず(理由は知りませんが)夫婦二人の暮らしを本当に楽しんでいて、夫と二人で過ごす時間が大好きな私は「素敵だな」とちょっとした憧れも持ったぐらいです。
さすがに、お金がかかるから一人も産まないというまではなくても
「もう一人欲しいけど、経済的に・・・」
「お金がないのに子供を産むのは親のエゴ?」
と思うことや言われることって案外あるのではないでしょうか。
もちろん大前提として『子供が生んでくれと頼んだわけじゃない』わけですよね。
(出生前記憶とか、前世とかは今回は置いといて)
一人でも二人でも三人でも、子供を産むか産まないかは親が決めるしかないこと。
だからそもそも、エゴと言われてしまえばエゴなのかもしれません。
でも、一人産むときはそういうこと、(ほぼ)言われませんよね。
むしろ子供を産まないと一人前じゃないみたいな風潮すらあったりしてね。
おそらく二人目の時もあんまり言われない。
(人によっては、自分は考えてしまうかもしれないけど)
そして、じゃあ3人目・・・となると急に自分も思ったり、人にも「3人目なんて余裕だね」なんて嫌味言われたりする。
まあ3人・4人ぐらいは許容範囲でもそれこそ8人産んでる方とか見ると「ちゃんとお金かけてあげられるの?」とか、「教育費とか大丈夫なの」とか思ったりしませんか。
2人目まで産んで、問題は3人目
かくいう我が家も、3人目……実は悩みました。
私自身は3人姉弟なんです。(2歳上の姉・2歳下の弟)
だから、子供3人っていいな。
「3人いると社会が成立」なんて言うけど、自分が3人姉弟ですごく助けられて育ったので「3人っていいな」となんとなく思っていたのです。
(希望する子供の数って、そんなもんじゃありませんか?)
結婚したときはは2人目まではもう産む気満々でしたから、なーんにも考えませんでした。
夫が一回りも年上なもので、「こりゃ急がな!2歳差でゴーだ!」と思ったぐらいで(笑)
そしてありがたいことに2人とも予定通り授かることができました。
(5月に産みたい!と思って「今月です!」と夫に迫りました←笑うところw)
独身時代から勤めている職場にも「子供は二人は産むけど、続けて産んですぐ戻る!」と二度の育休をとらせていただきました。
(自然に授かれたことも、快く育休をとらせていただいたことも、本当にありがたいことです)
2人産んでみて、2歳差ちょうどいいわー。産むなら絶対2歳差だわーと思っていたので、2歳差に仕込む(←笑)にはタイムリミットもあるわけで。
ちょうど子供も保育園に入って、仕事にも復帰して、本腰入れて勉強したいこともあって。
もう一人産んだら、また色々ストップかぁという思う気持ちもあったんですね。
でも、街で赤ちゃんがやたら目についたり、80サイズの子供服が気になったり。
だけどだけど、すでに40代の夫。そもそも一番上の子ですら夫の定年時には教育が終わらない。
そんな理由で3人目はためらってしまったのです。
私が考えた「経済的な責任」
すでにFPでしたから、子供を一人産めばかかるお金はおおよそわかります。
ライフプランだって立てているから、どの辺に影響が出るかもわかります。
お金に限りがあることもわかりますから、3人目を産むということを優先すると、他のところの順位を下げなければいけないということもわかります。
そこで、私が考えたのは、「自分が思う(子供に対しての)親の責任」ってどこまでなんだろう。ということだったんですね。
責任っていうと非常に広い言葉なので、「教育費に対する責任」と置き換えましょう。
(そもそも学校に行くべきとかそういう議論は除きます)
- 義務教育までが親の責任
- 高校は卒業させるのが親の責任
- 大学は奨学金で行ってもらってもいい
- 大学までは親がお金を出す
- 大学になったら家を出てもらう
- 社会人になったら家を出てもらう
- 生活費を入れれば社会人でも家にいていい
- 結婚するまでは無条件に家にいてもいい
この辺の「費用負担」をどこまで『親の責任』と自分が考えているか。
もちろんこんなもの、どこまでが正解というものではありません。後から気が変わることもあるでしょう。
我が家の場合は、
- 自宅から通える範囲の大学費用までは親がお金を出す
のが、親の責任だと考えたわけです。
これができないなら産むべきでないと我が家は判断するいうことです。
(あくまで我が家の価値観で、です)
そして、まずこの自分たちの考える「親の責任」を果たすにはどのくらいのお金がかかるか想定する。
この時点でライフプラン上難しければ3人目はやっぱり難しいのです。
(もしかしたら収入が増えるかもしれなくても、産んでからひっこめることはできませんからこの時点では楽観的になりすぎないほうがいいと思います)
「ここまでの責任は果たしたい」と自分が思っていることができないわけですから、不安もストレスも大きくなります。
こういう状態の場合がまさに「経済的に悩む」ということですね。
(ここでいう「難しい」というのは、産めないということではありません。産んだらどうにでもなります。3人目を産んだぐらいで破綻する家計は2人でも破綻しますから。)
次に、同じようにすでに生まれている二人にかかる費用と、家族として・自分として叶えていきたい夢や暮らしの金額を考える。
ここで、3人目を産むということの優先順位が上に来るなら産んだらいいのです。
お金だけの問題じゃないけど
こうやって書くと、すごく「カネと子供」を天秤にかけているみたいで、なんというか、神様の領域みたいなものに踏み込んだ汚い感じがしますが、不安ばかり先走って具体的な金額計算もせず、本当は産みたいのに「お金がお金が」と言って諦めるよりはずっと建設的だと思うのです。
そもそも子供を産むかどうかを決めるときって、必ずしも悩むポイントはお金だけじゃないですよね。
自分のキャパシティがどうかとか、次の子も男(女)だったらどうとか、すでに家建ててるから子供部屋が足りないとか、車買い変えなきゃいけないとか、年齢差がどうとかこうとか。
いろんな要素で決めていると思います。
お金は計算できるから
けれど、不安を抱きやすいタイプの人(私とか)は、やっぱり「経済的」って引っかかってくると思う。
だから、もし自分もお金について気になってしまうのだったら、まずは数字でトコトン考えてみたらいいじゃない、と思うのです。
お金以外のことは、神様の領域でどうにも考えたってどうしようもないことが多いけれど、お金に関してはある程度までは具体的に計算することができるし、計算の仕方や考え方が分かれば後から多少の修正があっても対応可能なはずだから。
子供が2人だとしても家計を整えておくことは家族が生きていくためにとても有効なことだと考えると、もし産まないと決めたところで何一つ無駄にはなりません。
具体的に考えもしないで「無理っぽい」「不安」とあきらめて、後で後悔するなら、考え抜いた末に納得して選択したらいい。
そしてその納得は「できるかぎり夫婦としての結論」であってほしいと思います。
身も蓋もない結論ですが
ライフプランを立てるFPがこんなこと言ったら怒られそうですが、ライフプランなんて「予想」でしかありません。
作った通りに人生が進むわけでも、作った通りに行かないと不幸になるわけでもありません。
ライフプランは暗闇の中を歩かなくて済むように、手元に灯す小さなろうそくのようなものです。
進みやすいように、転ばないように、安心できるように使うものです。
身も蓋もないことを言ってしまえば、産んだ3人目を前に経済的理由だけで「あんたなんかいなきゃいいのに」なんて言いたくなることって、ほぼないと思います。
言いたくなるほど追いつめられるのは別の原因のことがほとんど。
それくらい、お金のことって実はどうにかなるもの。
そして生まれてきた命って尊いもの。
ま、結局元に戻って、言ってしまえば「産んじまえばどうにかなる」
でも、そうはいっても不安だったり決めあぐねているのなら「まずは計算できる数字をトコトン考えてみる」のもいいじゃないですか。
夫婦でソロバンをはじいて計算していく家庭で、自分の思いが明らかになったり、夫婦の思いが重なったり、新しい結論が出るかもしれません。
同じ「産んだらどうにかなる」でもは、自分たちで計算した上で言うのと人に言われるとのではワケが違いますから。
産むかどうかの決断を代わることはできませんが、数字を計算しながら頭と気持ちを整理するお手伝いはできます(^^)
子どもが1人だって2人だって、家計には「ゆとり」があった方がいい。
ひとりで悩んでいるのだったら、思い切って個別相談も使ってみてくださいね。
こちらの話は動画でもお伝えしています。