お金を貯めたいと思ったときにその元となるのは収入。
となると、その収入が多い共働きは有利だと思われがちです。
ところが、共働きなのに実はお金があまり貯まっていない・・・ということもよくあるものです。
今日は、お金の貯まらない共働き家計がやってしまいがちな行動7つをご紹介します。

1:時間や便利・楽を買いすぎる
共働きでも、特に小さいお子さんがいる家計はとにかく時間に追われていることが多いです。
妻が育児休業などから職場復帰したばかりだったり、子供が集団生活に慣れずにお休みする機会が多かったりすると、ますます日常生活には時間や精神的なゆとりが持ちづらいかもしれません。
そうなると、その時間や労力を「お金で買う」ことで補うケースも多くなります。
例えば、ベビーシッター、家事代行、ハイテク家電、タクシー、送迎付きの習い事・・・
こういった「便利」や「楽」を買うためのお金は意外と高くつくものです。
これが行き過ぎてしまうと、共働きとはいえなかなかお金が貯まらないということが起こりがちです。
ちなみに、私自身も育休明けしばらくの間は、自宅から駅までの徒歩10分を短縮するために、駅の近くに駐車場を借りていました。とはいえ、もちろん働く時間が増えるわけではないので収入は増えません。それでも、朝と夕方のその10分を作り出すことは精神的にも大きなゆとりを生み出していました。
こういったサービスや工夫をすることで、疲労困憊で仕事を続けることをあきらめなくて済んだり、夫婦での余計な争いを減らしたりなくしたりすることができるかもしれません。そのために、こういったものを上手に使うのは子供を持つ母としても大いに賛成です。
問題は「収入に対していきすぎていて、それが貯まらない原因になっていないか」ということです。
共働きと言っても、二人で月収60万円のご家庭もあれば、片方は扶養内の働き方で月収は40万円というご家庭もあります。
もし今、必要な貯金ができていないのなら「行き過ぎの支出ではないか」「今もなお、このサービスなどに頼る必要があるか」を改めて考えてもいいかもしれません。
2:二人ともお金に無頓着のままでいる
夫婦がどちらとも正社員などで、ボーナスなども含めて収入の規模が比較的大きく、今の暮らしにも問題が起きていなければ「共働きだから大丈夫」という思いになりがちです。これまで特に節約の必要がない家計だったのならなおさらです。
共働きのご家庭では、例えば年間200万円ぐらいは貯まっているので大丈夫では…とおっしゃる方もいらっしゃいます。
確かに年間200万円と言えば決して少ない金額ではありません。
ただし、子供の人数や教育方針によってこれからかかる教育費、今のレベルを今後も続けていった場合の老後資金などを計算してみると、年間200万円の貯金では足りないかも、ということも実はよくあるのです。
今は特に問題が起きていなくても、人生の三大費用のような大きなお金はもちろんのこと、車の購入や住宅のリフォームなど、月収だけでは足りないお金についても計画されているか、改めて確認が必要です。
3:子供にお金をかけすぎる
子どもが小さいころから夫婦ともにフルタイムで働いていると、必然的に子供と過ごす「時間」は少なくなりがちです。
その負い目を強く感じていると、子供の欲しがるものや時間をつぶすためのもので高価なものを比較的早く買い与えてしまう傾向もあります。
一人で長時間お留守番をすることを避けるために、いくつも習い事をしていたり、オンラインのサービスなどを複数契約する、長期休暇の時に子どもだけで高額な体験ツアーに参加させるなどの結果、子供にかかる費用が月に平均して10万円近くかかっていがご家庭もありました。
月10万というとかなりの金額ではありますが、共働きゆえに収入規模が大きく、子供に大きなお金をかけることができてしまうのです。
結果として行き過ぎになってしまうこともあります。
もちろん、どこにどんなお金をかけるのかはそれぞれのご家庭の自由で、人に指図されるようなものではありません。
ただ、そのせいで今後必要なお金のための貯金ができなくなっているのなら問題です。
お金のかけどころや、かけるタイミングが自分たちが意図しているところとずれていないか改めて確認してみましょう。
4:相手も貯めているだろうと油断する
結婚してからも、お互いがずっと正社員などの安定した働き方をしていてお金のトラブルもないと、夫婦別サイフでやっていることも多いかもしれません。
相手の経済状態を知らなくても家計が回ってしまうのが共働きあるあるに一つです。
それによって、例えば方や「自分が住居費などの大きな支出を負担していて、相手はそれほど大きな支出はないから貯めているだろう」と思っていて、もう一方は「相手は年齢とともに昇進もして収入も上がっているだろうから、貯蓄してくれているだろう」こんな風に思い込んでいることも多いです。
几帳面で自分をしっかりコントロールできているタイプであればいいですが、そうではない場合、貯めるどころか子どものためと言っていた貯金を気づいたら使ってしまっていたり、気づかぬうちにローンを契約していた、なんてこともあります。
それぞれが貯金をするのなら、目的と金額を決めて定期的に状況を確認する「夫婦会議」「家計の決算」などを行うようにしましょう。
相手を監視する必要はありませんが、チェックする相手の目が歩かないかは大きな違いです。
5:家計について話し合う時間を持たない
お互いに独立して別財布で家計を回している共働きの夫婦でも、90歳100歳までお互いが経済的に独立していられる自信、もし想定外に突然相手に寄りかかられても支える自信がないのなら、二人の将来のためのお金はきちんと話し合っておく必要があります。
とはいえ、今も困っていない、先のことも想像できない、話し合うきっかけがない…と時間だけが過ぎていることもあるかもしれません。
ヒマができたからお金の話をしよう、ということは起こりません。
子どもが生まれるタイミングや、住宅購入などの大きなイベントでもない限り、きっかけは勝手にはやってきません。
夫婦だからなんとなくうまくやってしまい、大事な話をしないままにしてしまうと、過ぎた時間に見合った貯金が貯まっていないまま年を重ねてしまいまう。そうすると、あとで困るということになりがちなので注意してください。
お金が「ある・ない」の話ではなく、仕事をリタイアしたあとやりたいこと・いつかやってみたいことなどの、前向きな将来の話から始めるのがおすすめです。
6:忙しさから実行を後回しにする
せっかく話し合いをして方針を決めたにもかかわらず「今の仕事が落ち着いたら」「有給が取れたら」「二人の休みが合ったら」と、様子を見たまま止まっているという話もよく聞きます。相手がやってくれているだろうと思っていた、というケースもありますね。
すぐに困らないことだからこそこういうことが起こりがちなんです。
例えば保険の見直し、銀行や証券会社への問い合わせや口座開設、スマホやネットのプランの見直し、サブすくの解約、家計簿アプリの運用開始・・・こういったことで進まずに止まったままにしていることが多いようです。
最近ご相談があった中では、夫婦でつみたてNISAを始めようというところまで決まったにもかかわらず、どの商品でどこで始めるのか決まらないまま1年も経ってしまった・・・ということもありました。
一度やってしまえば済むことは、なるべくさっさと片づけるようにしてしまいましょう。
やると決めたことは
- 何を
- いつまでに
- どちらが
取り決めることをお忘れなく!
7:お金の流れを整えないまま放置
お金が貯まらない共働きによくあるのは、お金の流れが悪いままになっているというケースです。
二人で働いていると、収入の入り口が二つあり、会社の経費の建て替えが別口座であったり、銀行や証券口座がいくつもあったり、それぞれが住宅ローンを支払っているなどで、お金の流れが複雑になりがちです。
お金が流れていくところが多くなればなるほど、どこにいくらお金が入り、どこから何を支払い、どこにいくら貯めていくという流れが見にくくなります。
流れが悪いと「予定通り貯まっているか」「使いすぎていないか」が直感的にチェックしづらくなります。
そうなってしまうと「結果的には貯まっていた」だけで、目標に対して確実に近づいているのかが判断しにくくなってしまうのです。
こまめに結果を確認できればいいですが、そうでないときはお金の流れを整え、最低でも貯金だけは「毎月ここにいくら」とはっきりさせておきましょう。
共働きだからと油断しない
今回お話ししたことは、共働き家計だけに限ったことではありません。
年齢が高かったり、所得が比較的高い、あるいは夫婦ともにお金の管理が得意ではなく、とりあえず生活には困っていないご家庭ではよく起こることです。
もし、心当たりがあったら、紹介した7つをそれぞれ振り返ってみて、すぐにできそうなところから取り組んでみてください。
夫婦だけではなかなかキッカケが持ちづらいときは、ぜひファイナンシャルプランナーなどの第三者と一緒に整理することも検討してみてくださいね。
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