いま会社で働いているけど開業届って出せる?会社にバレない?
お給料をもらいながら副業で起業を始めるのは、収入が途絶えるリスクを少なくできる可能性があります。
また、事業所得が赤字の場合は給与と相殺することができ節税になるなどのメリットもあります。
とはいえしっかりと調べずに安易に始めてしまうと、思わぬ不利益を被るかもしれません。
給与をもらいながら「開業する」ことに関しての注意点を主に取り上げます。
開業届とは、収入を「事業所得」で計算するという届け出です。 ママ美 インストラクターの資格を取って、講座を開こうと思うんだけど・・・・どんな手続きが必要なの?開業ってなに? 起業しようと思うときに必ず耳にすることがある「 ...
→開業・開業届については、こちらの記事をご覧ください。
「開業」「開業届」とは?起業する前に知っておきたい基本知識
そもそも副業で開業届が出せるのか?
開業届とは、収入を事業所得として計算する税金の手続き上の届出書です。税務署やお住まいの自治体に提出します。
しかし、どんな収入も「事業所得」にできるわけではなく、一定の条件があるのです。
(国税庁より)
営利性・有償性の有無、継続性・反復性の有無、自己の危険と計算における事業遂行性の有無、その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度、人的・物的設備の有無、その取引の目的、その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断することが相当である。
ちょっと分かりにくいので、簡単に要約すると
1:ボランティアではなく利益が上がるもの
2:継続して続けていくもの
3:売り上げが上がるも上がらないも自己責任でやるもの
4:精神的にも肉体的にも労力を割くもの
5:一般的に「仕事」と認められる内容のもの
ということですね。
会社に勤めながらの企業の場合、特に問題になってくるのは
4:精神的にも肉体的にも労力を割くもの
ではないでしょうか。
つまり、給与の片手間(志はともかくとして)でやっている場合は、それは事業としては認められない可能性があります。
開業届を出す段階ではそれほど厳密な審査があるわけではありませんが、確定申告書を提出後内容を確認されて「それは事業所得とは認めません」と指摘される可能性もあります。
もちろん、ひとくちに「給与をもらいながら」といっても、フルタイム正社員で週40時間働いている人と、昼間のパートを週3日している人とは条件が変わってきますよね。
一律で線引きされるものではなく、事業やほかの状況・今後の展開についてどう考えているかしっかり説明できる、などによっては判断が変わることは十分にあり得ます。
なお、「事業所得は認めない」ということになった場合は「雑所得」として再計算が必要になります。
(もちろんどうしても不服の場合は申し立てて争うという選択肢もあります)
会社に副業起業が伝わるリスクは消すことができない
開業届は自分で税務署に提出するものです。
原則としてマイナンバー(個人番号)などを記載しての提出になりますが、それだけで会社に開業の事実が伝わることはありません。
開業届など出したら、会社に起業・副業がばれてしまうのではないかと気になる方もいるかもしれませんが、開業届の情報が勤務先に届くということはありませんのでご安心ください。
確定申告の内容が会社に伝わる可能性が高いのは住民税です。
確定申告書を提出するときに「給与以外の収入から発生する住民税は、自分だけに通知が来て自分で納める」という選択をすることができます。
しかし、「赤字の相殺」の場合はどうでしょうか。
相殺する相手は給与となりますので、必然的に給与の住民税が減ります。
その減った住民税の金額が給与天引き(特別徴収)となり会社に通知されるため、給与だけの住民税に比べて安くなります。
去年と同じ収入なのに、住民税が急に減っていたら気付かれる可能性は高くなりますね。
住民税の計算は簡単なようで複雑です。
所得の違いについて、住民税のルールについてあらかじめよく学んでおくほうがいいでしょう。
まとめ
- 副業起業はリスクを減らしたり、節税になるメリットがある
- どんな事業でも「開業」できるわけではない
- 自分にとってのリスクもしっかりと確認を
慌てて動く前に、事業の計画や見通し、勤めている会社の制度をしっかり確認して、目先の利益だけではなく「人生経営する」観点からも考えるようにできるといいですね。