私は年末調整しかしていないけれど、ママ友や同僚が毎年確定申告をしているらしい。なんで?きになることはありませんか?『医療費』というキーワードを聞くものの、それがどういうことなのかはわからない。そんな状況かもしれません。
年末調整と確定申告の関係。年末調整でできないことについてご紹介いたします。
そのほか年末調整に関する記事はこちら:
【年末調整まとめ】令和3年:ママのための年末調整の手順と書き方
この記事のもくじ
年末調整は『プチ確定申告』です。
年末調整とは、「今年の税金今年のうちに計算・清算」という手続きです。
本来は自分で、税金を管轄する『税務署』に「ワタクシこんな収入がございます」が、「かくかくしかじかで大変ですので税金を安くしてくださいませ」と自己申告して税金を確定させるのが『確定申告』です。(所得税は自己申告制の「申告納税方式」と国のルールで決まっています)
ですが、収入がある人が全員が一人ずつ確定申告するのは大変だし国も処理が大変でパンクしてしまいます。
そのため、会社に属している人(給与を払っている場合)は給与を払っている人(会社)が取りまとめて報告することになっています。
そしてそのデータが、会社を通して税務署や市役所に届けられます。
というのが『年末調整』です。
確定申告は私たちが直接税務署にしますが、年末調整は会社が代理でその手続きを代行してくれているということなんですね。
とはいえ会社の方としても代行できるのは限りがあります。
本人の事情を一人ひとり丁寧に対応し、完全に代行するほどヒマじゃあないですものね。
そのため『うちで払った給料と、よくあるいくつかの項目だけは会社でやりましょう』ということになりました。
年末調整は、確定申告ほど項目は多くないけどそれで十分な人はそれで完結できる手続きです。よくあるものはカバーされているためです。そのため、多くのサラリーマンは、年末調整という名の確定申告で済んでしまっています。
ですが「よくあるもの」からちょっと外れたものに関しては、年末調整でできないものもあります。
年末調整でできないこと
手続きが複雑だったり、諸事情を提出して説明しないといけないものは会社で引き受けきれません。確定申告でしかできないものもあります。本当に幅広くありますが、代表的な例をいくつかあげてみます。
医療費控除
出産などして医療費がかかってやった人も多いかな?
医療費がたくさんかかった→大変だから税金を安くしてあげましょう。
ということで、かかった医療費に応じて税金の計算の元から差し引くことができます。
年間にかかった医療費が10万円以下(もしくは所得の5%以下)の場合は「ちょっとしかない」と判断されてできません。年間10万円(もしくは所得の5%)を超えて医療費がかかった分だけ、税金計算の元から引いてもらえます。
なお、個人個人で集計するのではなく、一緒に位している家族の場合はまとめて誰か一人から引いてもらうのでもOKです。
医療費控除はよくあることではありますが、あまり人には知られたくない事情もありますよね。通院・入院。
代行する会社も、医療費の領収書などを全部チェックはし切れません。だから、本人が確定申告で自分でするものなのです。
ふるさと納税などの寄付金控除
寄付した自治体に書類を提出すると、確定申告が不要になる制度(ワンストップ特例)もありますが基本的には確定申告で処理する項目です。
ワンストップ特例の方が特別な手続きなのね。
ワンストップ特例を申請していても、医療費控除やその他の理由で確定申告をする場合は、ワンストップ特例は取り消されますので、ふるさと納税の分も確定申告でちゃんと書かなくてはいけません。確定申告は最終的に「上書き保存」で申告になることに注意しましょう。
雑損控除
火事や地震で損害を被ったり、泥棒に入られてお金を取られたなどの被害を受けた場合にできる手続きなどです。
さほど多くはないですが、万が一こういうことが起こった場合は税金を安くする手続きができるということは、頭の片隅で覚えておいてくださいね。
誰も教えてはくれませんから。
このほかにも、住宅ローン控除(初年度)やそのほかの所得の合算などなど、ありますが。それらは年末調整ではできないので会社に出すのはやめておきましょう。年末調整でできるのは、扶養家族の申告や生命保険など第三者からの証明書があるようなものがほとんどです。わからなかったら聞いてみてください
それは確定申告で、と教えてもらえるはずです。
どうせ確定申告するから年末調整しないはNG!
収入がお給料だけで特殊な案件がない場合は年末調整でだいたいのことができます。
面倒くさがらずにちゃんと申告しましょうね。
また、「どうせ確定申告するから年末調整しなくてもいい」はルール違反です。
どうせ確定申告するから資料を出さないのは勝手ですが、それでも会社としては年末調整はしなくてはいけません。
なので、要求された書類は必ず出しましょう。
年末調整の間違いを確定申告で訂正はOK!
年末調整はプチ確定申告。これで済む人はそれでおしまいでOKです。
ただ、年末調整をしたけれど、間に合わないものがあった・間違っていたなどが生じた場合は、あえて確定申告をしてください。
最終的な「確定」が確定申告ですので、年末調整の結果を踏まえて追加や訂正をするのは全く問題ありません。
年末調整で間に合わなかったからといってあきらめないでくださいね。
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