年末調整で本当は税金の優遇が受けらえるのにもかかわらず、損している人多数の項目です。
シングルマザー・シングルファザー・障害者・学生さんがしっかり知っておくべきことについてお伝えします。
また2020年(令和2年)からは「未婚のひとり親」もひとり親の控除が受けられるようになっています。
ここは本当は大事だし、該当する人は知っておかないと損なのに誰も教えてくれないからスルーしてしまっている人が多いモッタイナイ項目です。
間違って記入が漏れていても教えてもらえない理由
デリケートな項目だから本人に聞きにくい、あえて書いていないのか、忘れているのかわからないから、という理由で、年末調整の時に漏れやすくなっています。なかなか年末調整の担当と懇意にしていて何でも知っているということではない限り、こういったデリケートになりがちな項目は改めて説明する機会もあまりないのではないでしょうか。
離婚したって聞いたような・・・でもまさか「あなた子供連れて離婚した?」とは聞けないですよ。
長い休職を経て復帰。なんかしらハンデはありそうだけど「障碍者手帳とった?」聞けないです・・・。
「奥さん障害者なの?」「扶養してるお母さん寝たきり?」どれもこれも気軽に聞けるものではありません。
なので、本人の申告ナシには確認しようがないのです。
(そもそも本来は本人が申告しないものを確認する義務はないのですが)
そんな話を聞きかじっていて、
「もしシングルになったなら、場合によっては税金安くなるけど・・・・・でもこっちからは聞けないわ」
というのが担当者の心理です。
もったいないな、せめて税金の処理だけでも力になってあげたいなと思っても、やはりこちらから聞き出せないことなので、ぜひ該当しそうな方はご自分で記入してください。
正当な権利ですから使ってくださいね。
障害者の方
まずは「障害者」があり、税制優遇を受けられる場合は「障害者」のチェックボックスにマークを入れます。
そして表の中で「誰が」「どんな」障害の程度かに沿って記入します。
「誰が」は本人/扶養している配偶者(妻・夫)/扶養親族に分かれます。〇をつけるか人数書くかですね。
「区分」は障害の程度についてです。
【特別障害者】
(簡単な表現にします)
→身体障害者手帳1級・2級
→精神障害手帳1級
→★重度の知的障害と判定
→★寝たきりなどの複雑な介護がいる人
★は何らかの手帳などの発行がなくても該当になる方もいます。
気になる場合は担当者に確認してみましょう。
【同居特別障害者】
上の条件で、同居している場合はこちらになります。(本人は同居も何も自分のことですから、本人のところには書けません)
【一般の障害者】
上の条件ほど状態は悪くなくても、手帳が発行されている場合などが該当します。
細かい条件は国税庁のHPなどで確認できます。
該当するところに〇をつけたら、右側の左記の内容のところに、それらの内容が分かるように記載します。
本人なら、手帳の種類と発行年月日・等級
扶養家族なら、名前と手帳の種類と発行年月日・等級などです。
状況などは変わることがあるので、面倒でも必ず毎年書いてくださいね。
【16歳未満の子供が療育手帳を持っている場合も記入できます】
16歳未満の子供は扶養に入れても税金が安くなることはありませんが、障害がある場合は障害者控除を使うことができます。
療育手帳(愛の手帳・みどりの手帳など)をとっている場合はぜひ申請しましょう。
安くなった税金は家族のために使ってあげたいですね。
「寡婦(かふ)」と「ひとり親」
これまた普段の生活では口にすることもないような表現ですねー。
それはさておき。
この項目は「子どもがいるかいないか」「所得が500万円以下か」どうかで適用がちょっと違ってきます。
また、『所得』と『収入』は違いますので十分ご注意ください。
所得500万円は給料収入にすると675万円ぐらいです。
まずは
【寡婦(かふ)】
まずは「寡婦」控除についてです。子どもがいない女性です。子どもがいるときは「ひとり親」の方に該当します。
1)夫と離婚していて、扶養親族がいる、所得500万円以下
(ただし2000万円超えるとそもそも年末調整できません)
2)夫と死別していて、所得500万円以下
死別の場合は扶養家族はいなくても該当することになっています。
年間所得は500万円以下で「離婚したときは扶養者がいること」「死別なら扶養者はなくても該当」ですね。
【ひとり親】
こちらは子どもがいるケースです。女性も男性も該当。シングルマザー・シングルファザーですね。離婚や死別でなくても「未婚でパパ・ママに」でも控除が受けられるようにルール変更がありました。
1)子どもを扶養していること
2)所得が500万円以下
両方に該当すると「ひとり親控除」を受けることができます。
今まではシングルファザーとシングルマザーに差がありましたが、ルール変更で男女差はなくなりました。
学生
これはあまり知られていないのですが「勤労学生(きんろうがくせい)控除」という制度があります。
アルバイトで103万を超えてしまうと原則として自分に所得税がかかりますが、この手続きをちゃんとバイト先にすると130万円までは所得税がかからなくなります。
ただしこの手続きで自分に税金がかからなくなっても、103万を超えた時点で親の扶養には入れませんので、 こちらもくれぐれもご注意くださいね。
学生さんがここを見ているとは思えませんが、大学生ぐらいのお子さんをお持ちのお母さん、ぜひバイトを始める前にきちんと教えてあげてくださいね。
大学生の扶養についてはこちらの動画でも解説しています▼
まとめ
年末調整でこの部分に記入が必要な方は、何らか不利な状況のことが多いと思います。
国はそんな人のための優遇制度を用意してはいますが、それを学ぶ場もなく、デリケートな内容ゆえになかなか他人からは声が掛けづらい項目です。ぜひ自分で知識を身につけ、身を守ってくださいね。
デリケートな項目です。
会社の担当者からは聞きにくい項目なので見逃されがち。自分でしっかりと申告を!