毎月の家計が赤字。このままじゃ子どもの教育費も心配だし、老後費用なんてとっても手が付けられる状況じゃない。家計を見直して貯金を増やしていきたい!
自分は色々考えているのに、夫はまるで他人事のようで何もしてくれない。
家計を見直すのに夫の協力が得られないと進まないのに、話をしようとすると不機嫌になるから、結局いつもうやむやになって、自分の不安だけが残っていく・・・
こんなご相談をいただくことはとても多いです。
ライフプランを作ると言っても、その「ライフ」には夫も関わることを考えると、一人でどうにかすることはできませんよね。
夫婦でのお金の話がうまく行かない原因とその対策、そして実際にうまく行ったご家庭のエピソードをご紹介いたします。
話し合いができない理由は色々ある
家計の見直しに必要な情報を出してくれないので、話し合いに進めない。そんな状況ですね。
こちらの気持ちが上手く伝わらないことがキッカケで話し合いができなくなってしまったようです。
このように、夫婦でお金の話ができないと一口に言っても、さまざまな「できない」状態があります。
漠然と、協力が得られないではなく、いまの状態がどうなっているかをまず確認してみましょう。
それによってアプローチ方法や取り組む順番は違ってきます。
今、自分はどんな状態なのかチェックしてみてください。
原因2:他人ごとになっている
原因3:話すキッカケがない
原因4:夫に何をしてほしいのか自分がわかっていない
原因5:具体的な数字で説明できない
一つずつ確認していきましょう。
原因1:そもそも話せる関係性になってない
お金の話の前に、そもそも日常のコミュニケーションは良好にとれているでしょうか。
例えば下記のような状態になっていることが無いでしょうか?
(こちら側の問題)
- 相手が大嫌いで話す気もしない
- 相手を信用していない
- 自分には収入がないから口出しできない
(相手側の問題)
- モラハラ気味で何を言っても否定される
- 信用されていない
他にも「物理的に時間がない」「忙しすぎて話ができない」「他に大きな気がかりがある」「体調を崩している」
このようなこともあるかもしれません。
日常的に困っていることやこれからのことを「パートナー」あるいは「チーム」として意思疎通が健全に出来ていなければ、お金の話をするのはとても困難です。
これはお金の問題ではありません。
そもそも夫婦の関係を見直す必要があります。
この状態になった要因は一つだけではなく、様々なことが混ざり合って今の状況になっていると思いますが、いずれにしても「他人と過去を変えることはできない」「変えられるのは自分の今の行動だけ」ということです。
このままいけば、今後その相手と老後まで生き、場合によっては介護することになるかもしれないですが、今の状態を良しとするか?
改めてそれを考えることからスタートです。
原因2:家計が他人ごとになっている
夫婦として仲が悪いわけではないけれど「当事者」としての意識がない。
こんな状態やお悩みもよく見かけます。
実際にこんなこともあったそうです。
夫側がどういう考えでこういっているかはもちろんわかりませんが、他人ごとに感じる・一人で頑張るのがつらい、そんな要因で夫をうまく家計の改善に巻き込めていないこともあるかもしれませんね。
「あなたにお任せするから」といった”丸投げ系”の無関心の場合は、必要な情報を出してくれるなど実務的な協力さえしてくれれば、自分で勝手にいろいろできて、話し合うより早いという考え方もあります。
ただ、やはり二人で生きていく未来のことを自分一人で考えるのは寂しいものですよね。
一方で、家族という観点がなかったり、「俺の金」という意識が強く、自分の稼ぎを家族で使うというイメージが持てていないパートナーもいます。
共働きの夫婦だけならこれでも問題が起きないことが多いですが、どちらかのものでもない「子ども」という共有の財産を得たときは、これではうまく行きません。
悪く言えば”おこちゃま”なパートナーだと「二人の未来」は描きづらくなります。
ただし、実はこういう関係の夫婦は「妻はブチブチブチブチ文句を言いながら、ご飯を作って洗濯をして子供の面倒を見て、夫の「お母さん役」をやっている」というケースも多いものです。そしてそれに気づいていないことがあります。
結局自分が困るから、と先回りしてお金のことも自分が解決してしまおうとしている。これによってますます夫は自分が当事者ではないという感覚が強くなっていきます。
こういった場合は、原因1と同様に「一生、この相手とこのままでいいの?」をまず自分に問いかけたいところです。
原因3:話すキッカケがない
これは、日常的にお金に困るということはほぼ無い共働き夫婦にはありがちです。
- 今は困ってないけど、この後も困らないかはわからない。
- 今は問題なく回っているけど、相手は貯金とかはしていなそう。
- でも何かを改善してというほど今困っているわけじゃないから、お金の話を切り出しにくい。
- 相手を信用していないって言ってるみたいな気がしてしまって言い出せない。
こういうパターンです。
何もしなくても貯金が貯まっているので、よほど大きな支出がない限りそもそも話すきっかけがなく、「困っていないのになんで?」と言われてしまいそう、とためらっているケースをお見かけします。
こういう状態から、お金の話をしていきたいと思ったら「今のお金をどうこうする話」ではなく、「これからの話」でスタートするのがオススメです。
例えば、
子どもの教育はどこまで親が出す?
お互いの親に金銭的支援は必要そうか?
老後はどこに住む?何かしたいことがある?
今の話ではないけれど、ゆくゆく大事になってくるから今のうちから意見を聞きたい。
そのときになって困らないように、自分が安心できる状態を今から作って行きたい。そのために協力してもらえないか。
話せる関係性であるのなら、こうやってキッカケを作っていくのがいいですね。
ポイントは「自分が安心したいから協力してほしい」というところです。
夫も不安感や課題感があればもちろんのこと、大丈夫だろうと考えているタイプは「家計のため」ではなかなか行動に移しにくいこともあります。
家計のためではなく、私の安心のために、と伝えていくことで気持ちよく動いてくれることもありますよ。
原因4:夫に何をしてほしいのか自分がわかっていない
夫が協力してくれない・巻き込めない、とおっしゃる方で意外とあるのがこちらです。
「協力してほしい」とは言うものの、具体的に何をしてほしいのか実は自分でもよくわかっていないケース。
例えば「一緒に考えてほしい」と思っていたとします。
何について考えてほしいのでしょうか?
夫がどんな発言をしたら、一緒に考えている、と言えますか?
レシートを一緒に見てどの支出が無駄だったか話し合うこと?
保険の内容を一緒に見てもらうこと?保険の見直し手続きを代理店に電話してもらうこと?
「自分がしてほしいこと」が抽象的過ぎると、夫がどんな行動をしても、それじゃなーい!って思ってしまいがちですから、夫を巻き込みたい・協力してほしいというのなら、やってもらうリクエストは具体的に。
これに関しては、似たような状況だった方からこんな考え方はどうかというコメントがありました。
男だから、女だからと分けるものではありませんが、経験則として男性は女性に比べると「共感して寄り添う」よりは「問題解決」を好む傾向があるようです。苦手なことをさらに抽象的に頼むとうまく行かない可能性がありますね。
自分が求めているものが何だろうか、まず自分によく聞いてみることが大事です。
原因5:具体的な数字で説明できない
夫婦でお金の話をしようとしているときに出てくるキーワードがあります。
- お金が「ある」「ない」
- 「足りない」「減らしたい」「増やしたい」
- 「なんとかしたい」「どうにかしなきゃ」
- 「もっと節約しないと」
こういう言葉は、全部相手に伝わりにくい言葉です。
日本語として意味は通りますし、間違ってもいないのですが「解決のための行動」に繋がりにくいからです。
伝わりにくいというよりも「相手を否定する言葉」として変換して届いてしまうことが多いようですね。
そんな意図はなくても、
「あなたの収入が少ないせいで」
「あなたが使いすぎているせいで」
「あなたの甲斐性がないせいで」
と、聞こえてしまうようです。
伝えているこちら側はまったくそのつもりがないので、急に不機嫌になられたり「もっと稼げばいいんだろ」「ハイハイじゃあ夜中まで残業してきますよ」というような強い言葉を掛けられたりすると、びっくりして萎縮してしまうことも。
だからこそ大事になってくるのは、客観的に・数字で・目で見えるようにして「伝わるように」伝えていくこと。
私が得意とする、家計相談や家計改革プログラムでお届けしているのはこちらです。
こちらもたくさんの実例報告があります。
「電気代数千円」など読み上げたら、「そういう細かいのはいいから、数万単位のは?」と聞かれました。そんなものはなく、足し上げると大きくなるという、足し算の問題。それからは、生活費ってこんなにかかるのかと納得した様子です。
私も、どうしてこんなにお金が貯まらないのかと自分を責めていて、夫に言いづらいところがありました。しかし、勇気を持って明細を確認し合うことで、無駄違いではなかったことがわかり、私も自責の念がなくなりました。
ですので我が家は数字で説明して納得、のタイプです。
もともと感覚的な方なのもあるのですが、
家計改革したい(一応ナナコさんの本を一通りやったので状況を伝え、お金の流れを変えたい伝えました)が、伝わっていないのか温度差があり、夫に話すのが億劫になりました。「好きにしていいよ」とも言われるので有難いのですが、「そこまでする?」とも「そこまでできる?」とも言われ、もやもや…。
夫との関係は良好ですが、お金の話を的確に伝えるのにはこちらも言葉を選ぶことが必要であるなぁと実感しました。
話せないから、現状を夫のLINEに何ヶ月か送ったら理解できたようです。
と、自ら提案もしてくれました。
数字を出して表にしたことで何年後にこれだけかかるから今頑張るんだ!と、お互い再認識し、今年は目標貯金額の半分貯まりました(^^♪
夫を巻き込む前に全くたまらなかった日々が嘘のようです…(笑)
うちは5(数字で伝えていない)→2(他人事)→4(何がしてほしいかわからない)→5(数字で伝える)と順を追ってってる感じです。
◆「お金がない!」から始まり、夫は「俺の稼ぎが少ないから。。」と、冗談か本気か落ち込んだフリ?をするという会話をしばらくしてました。(5)
◆その後、いよいよヤバイと分かり、家計プログラムを開始。夫は「やってみろ」と、背中を押すような言い方をしてくれたのですが、まるで他人事のような感じで、私はその時「あなたはやらないの??」と思いました。(2)
◆それもあってか、ワークを一人でするうちになんだか夫に対してモンモンとしてきて、ナナ子さんに不満を言ったこともありました。(4)◆今、あといくらあればうちがまわりだすのか分かり、夫に「あと〇万あればいいんだよ。だから私が稼ぐから」といえるようになりました。(5)
ここにくるまで、ほんとに紆余曲折でした。
解決できたのは、4の時、ナナ子さんに相談して、夫の気持ちを代弁してくれたおかげです。
夫の立場に立って考える余裕もないし、私にとって想像がつかない考えでした。
それを第3者から冷静に諭してもらうと、素直に聞くことができ、夫にわるかったなという気持ちさへ出てきました。
おかげで、最近は、昔より夫に対して感謝の気持ちが増したように思います。
いつもお仕事がんばってるな。お給料、ありがたいなって。
特に自分が働くようになって、収入を定期的に得る大変さと有りがたさが身に染みます。
これも家計改革プログラムのおかげ。
何をどう伝えてうまくやっているかはご夫婦それぞれですが、やはり「目に見える形」「数字で」がより効果的であることが分かります。
仲が悪いわけではない、お互いに課題感や解決したいと思っていることは共通しているのに、うまく話せていないのだとしたら、ご提供している「貯まる仕組みシート」がお役に立つことができます。
今の使い方、よけておくお金、将来に備えるお金、優先的に使いたいお金を数字の一覧にすることで、現状やこの先の対策が具体的な数字で見えてきます。それをもとに話し合うことで、いくら減らせばいいか、あるいは何のためにお金をいくら貯めればいいか、今のままでいいかが共通のものとして認識できます。
感情が混じらない数字の話ですから、うまく言葉にできずに誤解されることも起こりません。
上手に伝えるのが苦手で、過去に誤解があってうまく話せなくなってしまっていたり、何から手を付けていいかわからないときは、ぜひ「貯まる仕組み」の形で家計を見える化してみてください。
もっとも大事なのはコレ
家計の改善をお手伝いするときに、夫婦で家計の話をするのなら絶対に伝えてほしい、としつこくお話していることがあります。
それは「二人で生きていく未来のために」やろうとしているのだ、ということです。
家計改革プログラムの受講生さんが、実践して「実際に夫婦でお金の話がうまくいった伝え方」をシェアしてくれました。
そしてなにより、ななこさんからのアドバイスをもとに、この取り組みのそもそもの目指すところを、そのファイルに書いておくことでした。長いですが、その時書いたことを記載します↓
特に響いたのはやはり、ずっと一緒に生きていきたいから。。っていう部分だったんじゃないかなと思います。◎家計の把握、貯金、シミュレーションの目的
今いくら使ってもいいのか、いくら備えたらいいのかを把握して、
夫婦がともに、今を楽しく、安心して生きていくためにしている◎ずっとふたりで生きていくつもりだから
今一緒に、お互いにとって、楽で心地よい方法を作っていきたい◎必要な分が貯まれば
細かい支出を把握するつもりもなく
細かい個人⇔家計の精算をする必要はないと思っている
◎家計の定期健康診断
(年末度の決算や、特別支出の見直し)をしていけば
問題なく増えていく見通し(FPさんお墨付き)
人生の計画なので、今だけでどうにかする必要はなく、
長い期間をかけて「おおむね計画どおり」になればOK
途中で収入が減っても、シミュレーションをもとに、
長期的な貯蓄を調整していけば大丈夫!
忙しく生活していると、顔を突き合わせて話をする時間はなかなか取れないこともあります。
ですが、このように共有のアプリやシステムを使ってコミュニケーションをとることを工夫し、何のためにしようとしているのかを目に見えるように伝えておくことで、結果的に心地よく安心できる「貯まる仕組み」が出来上がりました。
順番を間違えずに夫婦が納得する形を作っていく
家計改革プログラムでは家計の数字を見える化しながら、どのタイミングで夫婦でどんな情報共有をしていけばいいか、どのタイミングで相手の考えを聞いてみるのがいいか、そういったこともアドバイスしながら進めていきます。
自分が我が家の「ファイナンシャルプランナー(お金の計画を練る人)」になって、夫婦がずっとお互いに心地よいお金との付き合い方ができるようにしていきたいですね。
家計改革プログラムの詳細はこちらからご覧ください。
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