ピアノに水泳、リトミック、絵画に体操、くもん、英語の早期教育、EQを育てる、色々な体験をさせる・・・。子供の「学校教育以外」にかかるお金は年々うなぎのぼりに増えてきます。それと同時に感じるのが「どこまで習い事費用をかけて大丈夫?」という疑問ではないでしょうか。
子どもの習いごとの平均や金額などについてはこちらの動画でもお話しています。
この記事では、習いごとと親心のバランスを取るための4つのポイントを考えます。
1:外からの情報にふりまわされない
子供が少しづつ大きくなるにつれて、ぐちゃぐちゃの線だった絵が、丸になり、花になり、人になり・・・・。
あーあーぶーぶーだった言葉が自分のことを呼び、したいこと言い、考えを言うようになり・・・・。
わが子はもしかして天才なんじゃなかろうかとチラっと心によぎることはあると思います。未就学児のうちや小学校の低学年のうちはそうでなくても、本人ん意思で「やりたい」「できるようになりたい」「興味がある」姿を見せられる機会が増えて行きますね。
それと同時に、外から入ってくる子供の教育に関する情報。
小さいうちにやらせないと間に合わない
大きくなってからは手遅れだ
〇歳までで脳は完成してしまう・・・
など、もうどこを見ても書いてある!もっともな意見に聞こえる!
子どもを一から育てるという経験はそう何度でもできることではありませんし、時代が変われば情報も変わっていってしまうため、専門家にそう言われたら「そうかも」と思うしかありません。
また、特に小さい頃はできる・できないが目に見えやすいため「あの子はこんなことができる」「うちの子はまだこれもできない」という比較意識から、その差を習い事で補わなければいけないと思い込みやすいものです。
情報が多い時代に「正しさ」を求めるあまり様々な情報に触れ、かえって混乱してしまうことはよくあります。情報を得る能力は大切ですが、積極的に調べる以外にも「〇〇はこう言っていた」「〇〇らしい」など、必ずしも根拠のないものや、『教育ビジネス』からもたらされる情報に振り回されていないか一度振り返ってみる必要があるでしょう。
2:かけたお金=子供を思う気持ち、ではない。
誰しもが子供には、なるべく苦労はしないで、なるべくたくさんのことを学んで、なるべくいい学校に行って、なるべくいい会社に入って、なるべくいい給料をもらって、幸せになってほしいと思うものだと思います。
そのためにできることはしてあげたい。お金で買ってあげられるもの・こと・経験があれば与えてあげたい。そう思うのが親心なのかもしれません。
ですが、「子どもにかけたお金の金額=子供を思う気持ちの大きさ」ではありません。
子どもにそれほどたくさんのお金をかけてあげられないからと言って、子どものことを思っていないということにはなりませんし、たくさんの習い事をさせているご家庭が必ずしも子供を思う気持ちが強いわけではないのです。
また、子供の「可能性」は目には見えませんね。
なるべくその芽を摘まないであげたい。様々な体験をさせることで可能性の芽を伸ばしてあげたい。そう思うあまり、 いつのまにか「金銭を多くかけるのが可能性を摘まない唯一の方法だ」と勘違いしてしまってはいませんか?
3:本当に「お金」で応援してあげるべきはいつ?
いい教育を受けさせるにはある程度お金をかけないと・・・という意見には反対しません。
親の所得と子供の学力、またはその後の経済力に一定の関係があるのは明らかだからです。所得が少ないことが原因で教育の機会が行き届かず、負の連鎖に巻き込まれていくという事実は見て見ぬ振りができないとたくさんの家計相談からも感じています。
では、本当にお金をかけるべきはいつでしょうか?
いつ、どんな能力を身に着けることが一番大事だと考えていますか?
それが例えば高校や大学への進学だとしたら、そのときにこそ「お金」をかけてあげるべきではないでしょうか。習い事をさせるあまりお金が貯まらず、本当にかけてあげるべき時にお金がないじゃ、困ってしまいます。
習い事過剰で教育費が貯まらない、大学の進路は本人の希望でできれば留学もさせてあげたい、と思いながらも200~300万円ほどしか用意できないうちは、やはりバランスが取れていないと言わざるを得ません。
4:なんのために習い事をするの?
学校教育はもちろんですが、それ以外の場で任意で行う習い事だからこそ特に大事なのは
「なんのために行かせるのか」(目的)
「どういう効果のためにやらせるのか」(成果)
をしっかりと定義づけておくことです。
『いつか何かの役に立つ』レベルでは成果をはかることはできません。その習い事の仕方は「趣味」ですので、教育費ではなく娯楽費と認識しましょう。家計に余裕がある分にはいくらでも娯楽で習い事をさせても良いですから。
親がそれを意識していると、必ずしもその効果は習い事でしか得られないわけではないことに気付くはずです。
あるいは、もっと最短距離で行く方法を探すことができるかもしれません。
例えば、水泳の4泳法をマスターさせたいと思うのなら、なにも一番下のクラスから進級せずに、マンツーマンレッスンを短期でさせたほうがいいかもしれません。呼吸器官を少し強くしたいだけだったら、毎週市民プールに遊びに行ってもいいでしょう。
それでは何か違う、と感じる場合は、親がその習い事に求めているものが違うのかもしれません。そうやって、色々な選択肢を考えながら「親が望んでいるもの」「習い事で得ることができるもの」を改めて考えていただきたいと思います。
習い事にこんなにかけていいのかな、習い事ってどこまでかけて大丈夫?と思ううちは、まだ家計の基盤が整っていないのかもしれません。きちんと家計を整えて、まず自分たちがずっと自立していける状態を作って、それから子供たちの夢を応援してあげてくださいね。