子供を産むと『絶対にかかるお金』と、子供とあれもしたい・これもしたい・こんなことができるようになってほしい、と『夢の膨らむお金』がありますよね。
自分が子どものときやってよかった習いごと、子どものときにやりたかった習いごと。これから必要となると言われるスキルや知識に関する習いごと。
考えだしたらキリがないほど習いごとの選択肢はたくさんあります。
小学校・中学校までの教育費と言われる費用の中は実は6割が習いごとなのです。その影響でなかなか貯金が進まないとお悩みのご家庭も多いもの。
この記事では、子どもの習いごとの目安を確認していきましょう。
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習いごとの目安は手取りの5%?
家計相談の現場では、子どもがまだよほどの乳幼児でない限り、習いごとを全くしていないご家庭はほとんどなく、何かしらの習い事をしているということが多いです。
時には一つのご家庭で一か月に20万円近く子どもの習いごと費用があるようなことも!
習いごとの人気ランキングでは
- 水泳
- 英語
- ピアノ
- 習字
- プログラミング
等が連なっています。
このような質問も良くいただきます。
一般的には手取りの5%程度を目安にするとよいと言われていますね。
そうなると、
- 手取り20万円→10,000円
- 手取り30万円→15,000円
- 手取り40万円→20,000円
もちろんこれは子ども1人当たりの金額ではなく、家計の子どもの習いごとの合計ですから、子どもが二人いたらその分かかってくることになります。
例えば人気ナンバーワンの水泳(スイミングスクール)も、ひとり7000円くらいの費用が掛かることが一般的なので、もし子供がふたりスイミングを習っていたら14000円掛かります。手取り30万円くらいのご家庭だとすると、それ以上の習いごとをしたらそれはもうかけすぎということになりますね。
月謝以外の費用に注意!
習いごとの費用と言えば毎月払う月謝で判断しがちですが、月謝以外にも支払いがあるものには注意が必要です。
大会や発表会、合宿や普段の練習の消耗品などが意外とかさむことも結構あるものです。
発表会のお衣装代が何万円もかかった、先生のお礼として保護者でお金を集めて包む、チケットノルマがあるものの売れなくて買い取り、試合の送り迎えでガソリン代や高速代がかさんでいく・・・
月に払う月謝は1万円なのに、そういった諸々の費用をならしてみたら、月平均で2万円ぐらいは負担感があったなんて話もよくあります。
また、直接習いごと関係費でなくとも、時間の関係で学校に迎えにいそのまま習いごとに行くとなるとどうしても外で外食しないといけない。毎週親子でその曜日に外食になるとお金がかかる、、などというご相談もありました。
そういう「付属の費用」も含めて習いごと費用なんだと考えておくことが大事です。
習いごと費用の実態は…
子どもの教育費はひとり1000万円かかるなどとよくいわれますが、あの金額のうち特に小中学生の教育費の大半は6割近くが習いごと費用となっています。
文部科学省の子どもの学習費調査によると、公立の小学校で6年間にかかる学習費の総額192万円ぐらいです。このうち66%が学校外費用、つまり習いごとということです。金額で平均してみると、大体一人当たり17800円ぐらいが習いごとに掛けられている実態です。
公立の中学校の場合、学習費総額が146万円ぐらい。こちらもうち62%が学校外の費用(習いごと)です。1人当たり25,400円ぐらいかけている実態が見えてきます。中学生になると勉強系の塾などの習いごとも増えてくるので金額が上がってきているのが分かります。
習いごと費用は手取りの5%が理想という目安に戻ってみましょう。
手取りが50万円の5%で25000円です。
学習費調査からは子ども1人で25,400円が平均です。ご家庭の手取りが50万円に満たないご家庭もあるでしょうから、そう考えると多くのご家庭が手取りの5%という目安を超えてかけていることが分かります。
上の子には習いごとをさせて、下の子はやらせないというのは親としては言いにくいことも多いでしょうから、『手取りの5%』という目安に合わせるのなら、兄弟児がいるご家庭ではよほど厳選して絞っていない限り「習いごとのお金をかけすぎ」と言えるかもしれません。
「我が家の習いごと費用」を考える4ポイント
世の中の平均が分かったところで、我が家の習いごと費用を考えるための4つポイントをご紹介します。
ポイント1:現在の家計は健全ですか?
習いごとというのはしなくてはいけないものではありません。つまり家計の中の「ゆとり」の部分から出す筋のお金です。家計がもし赤字になるぐらいだったら、習いごとをしてはいけません。
以前は赤字ではなくても、親の働き方が変わって収入がダウンしたり他の必要な支出が増えたから赤字になってしまうようなら、習いごとをやめることを検討しなくてはいけません。貯蓄を取り崩してまで習いごとをする必要はないことを忘れないようにしましょう。
楽しく通っている、前に比べて上達している、今辞めたらダラダラして絶対成績が下がってしまうなどは関係ありません。家計の赤字をどうするかを何よりも先に考えなくてはいけません。
ポイント2:習いごとの目的は何ですか?
ポイントの二つ目は、何のためにその習いごとをするのか考えてみることです。
習い事ごとに限らずお金をに使うときには「何のためにこのお金払うのかな」と意識することがとても大事。
例えば外食でも、おなかも満たすための食事なのか、あるいは楽しむための娯楽なのか、目的によって選ぶお店も違ってくるはずです。
車を買うときも、もただ通勤の足として機能すればいいという観点で車を選ぶのと、レジャーするため・家族でキャンプに行くためなどの娯楽のために買うのと選ぶ車は全く違ってきます。
目的がはっきりすれば、それに対して払う費用が見合ってるのかようやく判断できるようになります。
注意!小学校中学年の習いごと
学童などに行けなくなる(あるいは行きたがらなくなる)小学校の中学年(3年生ぐらい)によくあるのが、一人でお留守番させるのが不安だからお勉強系の習いごとに行かせてしまおう、というのもよくある話です。
それ自体は家計の支出として許せば問題ないのですが。「見守りが目的」で習いごとに行かせているのだったら、成績が上がらないとか塾の宿題をしないというのは仕方ない話のはずです。もちろんあわよくば勉強ができるようになって惜しいし成績も上がってくれればいいけれど、目的は見守りですよね。
本来の目的を忘れると、その支払いが妥当なのかが判断できなくなってしまいます。「見守り代」としてその月謝は適正ですか?
習いごとは一度始めてしまうと、親の都合でやめさせるのは難しいものです。
少しは上手になっているし、友達ができて楽しんでいっている。せっかくここまでやったのにやり遂げずに辞めさせていいのかな?そんな気持ちになるからです。
そうならないように、初めに「どうなるために行かせているのか」を決めておき、それが習いごとを通じてできているのか(あるいはそこへ向かっているのか)というのを定期的に検討していくことが必要です。その目的から外れたときが辞めどきです。
ポイント3:親の気持ちを過剰に入れていないですか?
親の期待やコンプレックスを過剰に子どもの習いごとに転嫁していないか冷静になることも大事です。
自分が英語が苦手で苦労したから早くから習っておいた方が楽だよね、と英語を習わせる。こういった類のものです。
自分のコンプレックスを子どもに過剰に転嫁すると習いごとにお金を使いすぎる原因となります。
逆に自分がやってよかったから、子どもの時すごく楽しかったからやらせたいというのも同様です。
自分の親が自分にしてくれたことは自分もしてあげたいと思うのももっともですが、親の当時のお金を状況と自分の家計の状況って違うというのも当たり前に起こることです。すべてを我が子にしてあげる必要はありません。
自分が苦手だったからやらせてあげる・自分が好きだったからやらせてあげる・・・・とキリなくどんどん増えていってしまいます。
ママ友の子供がやってるからとか、みんなやってるから我が家は習いごともできない家だと思われたくない。そういった見栄を張ってしまうとどんどんお金が出ていってしまいます。
「長い事ぐらいしてないとかわいそう」のような親の感情が入りすぎると冷静な判断ができなくなることに注意しておきましょう。
ポイント4:教育費は貯まっていますか?
4つめのポイントは、将来の教育費が順調に貯まっているかを確認することです。
例えば大学に進学させるつもりがあるとしたら、大学の費用はまとまったお金がかかります。そういう大きなお金は時間をかけてコツコツ準備していかなければいけません。それが計画通りにできていますか?ということ確認してみましょう。
習いごとを色々させたはいいけど大学に行かせるお金がない。大学費用は奨学金を借りてもらう、あるいは慌てて老後資金をつぎ込む!のようなことになったら本末転倒です。
大学に通うのは子ども本人ですから奨学金を借りるのは構わないのですが、親が出してあげたいと思っているのだったら今の習いごと費用と将来の大学費用とどっちが優先されるのかというのを考えなくてはいけません。
もちろん教育費以外にも人生に必要なお金がありますから、それらもちゃんと貯められているのかを確認し、その上でゆとりである習いごとにお金をかけることができるようになるはずです。
まとめ
我が子には色々体験させて、可能性を広げてあげたい。
多くの親なら思うことだと思います。
ただ、お金をかければ何でも子供の可能性が広がるわけではありません。もちろん広がる可能性はあるけれども、かけたらかけただけ広がるものではないことは意識しておかなくてはいけません。
むしろ身の丈を超えてお金を出してしまうことで、子どもに本当にお金が必要なときの選択肢を逆に狭めてしまう可能性もあるかもしれません。
現実問題として誰にだって収入には限りがあります。
何にお金を使っていくのか、どこかに使えば他には使えなということを身をもって教えていくのも大事な教育のひとつだと思います。
習いごとにお金を使いすぎかどうかというのは、一般論の5%にとらわれる必要はありません。
家計の現状貯蓄含めた優先順位を確認して、優先順位が高いところがきちんと実行できているかをチェックしてみましょう。
その上で、妥当かどうか判断するといいですね。
どのくらい教育費や将来の貯金が必要なのかわからない、使いすぎなのかどうか客観的な意見が聞きたい。そんなお悩みがありましたら個別のご相談やメルマガなどでヒントを手にしてくださいね。