早い会社で10月末、遅くとも12月頭には書類が配布されて手続きを行う年末調整。
会社の提出締切期限が早くて、自分で用意する書類が間に合わないのでは?と心配になるかもしれません。
自分で書けば済むものならいいのですが、第三者から送られてくるものは催促するわけにもいかず困ってしまいますよね。
書類などが年末調整に間に合わないとどうなってしまうのか。自分はどうしたらいいのかを確認しておきましょう。
年末調整のを簡単におさらい
まずは年末調整についておさらいしましょう。
毎月のお給料で概算で天引きされている「源泉所得税」の年間合計と、「本来負担すべきこの1年の所得税」の過不足を計算して精算するもの
(所得税の計算期間は1月1日~12月31日)
もっと詳しく知りたい時はこちらの記事でどうぞ▼ 働いていると年末に行われる「年末調整」。年末調整について学校で学ぶことはもちろん無く、入社したからと言って説明を受ける機会はそうありません。言われるがままになん ...
いまさら聞けない年末調整。いったい年末に何を『調整』しているの?
1年間の給料や賞与の全てを合計して算出した「給与所得」から、本人が申告した「所得控除」を引いて、本来払うべき税金を計算します。
ということは、その年最後の給与(または賞与)が決まらないことには年末調整は行えません。
最後に支払うお金は会社ごとに違います。
例えば12月10日がその年最後の給料日なら、その時点で税金を計算することができます。
会社の社員の規模(人数)によって年末調整にかかる事務負担も違うので、それらに合わせて会社が年末調整の書類の締め切り日を決めています。
年末調整は「12/31時点」の状況を申告するもの
そもそも、提出する書類以外にも、提出から年末までに変更が発生することは起こりえます。
例えば、扶養に入れていた家族がお亡くなりなる、新たに子どもが産まれる。このように時期を選べないこともありますね。
必ずしも全てが「年末調整に間に合う」わけではなく、提出後に変更があったということも十分あるわけです。
それを見越して年末調整事務を行ことになっています。
間に合わなかったときにすること2選
年末調整は「その年1年間の所得や控除」によって税金を生産する手続きです。ということはその年が終わってみないと確定はしないものなのです。最後の給与等が決まったらすぐに計算できるように前もって集めるものだからこそ、提出後に変更があることは十分想定されています。
だからこそ、そんな場合の対策がちゃんと準備されています。
間に合わなかった(=年末調整提出後に変更があった)ときのリカバリー方法は2つあります。
方法1:年末調整のやり直し(再年調)をしてもらう
年末調整の書類を出した後に変更があった場合の取り扱いについては、国税庁の手引きでもこのように書いてあります。
ーー国税庁 年末調整のしかたより
この画像は給与の追加や扶養についてですが、この下部分には「追加で保険料を払った場合」なども同様に書かれています。
つまり、本来のルールでは後からハガキが届いた場合でも、翌年の1月末日までなら年末調整をやり直してもらうことができます。
生命保険の支払いやiDeCoの開始が年末近くなり、控除証明書が間に合わないときは「払ったとみなして年末調整し、1月31日までに証明書を追って出す」こともできる仕組みにはなっています。
ただし!!!!!給与担当者(の心の中)にはめちゃくちゃ嫌がられます(笑)
なぜなら、年末調整は従業員ごとに計算しますが、会社は個々人の年末調整後に全社員のデータを取りまとめて国や従業員の住む自治体にそのデータを送っています。それをまとめるのにもそれなりの労力がかかるのに、一人数字が変わると全部やり直しが必要になってしまうと、正直ガックリ来ます。
(パソコンが計算するにしても、間違いがないかの検算は人間がすることがほとんどです)
そのため、ルール上は可能ですが担当者から言わせてもらうと「勘弁してくれよ」の一言です(笑)
どうしてもの場合はゴリ押ししてできないことはないかもしれませんが、基本的にはおススメしません。
会社には言いにくい、ギリギリになってしまった、、、などの場合は潔く次の手↓を選びましょう。
方法2:自分で確定申告をする
年末調整は「簡易確定申告」と言えるものですから、そこで間に合わなかったら自分で確定申告を行えばよいだけです。
iDeCoの控除証明書については、割とどこの金融機関でも「年末調整に間に合わない場合は確定申告してください」と書いてあることが多いですね。それくらい、年末調整のやり直しはポピュラーでないことが分かります(笑)
そもそも本来は年末調整で控除できる程度の内容は、確定申告するのはとても容易です。
国税庁のホームページの案内に従って進めていけば、税務署に行かずとも郵送や電子申告(※)などで完結できます。
(※)カードリーダーや電子証明書が必要になるケースもあります。
2021年にする確定申告はスマホからの手続きの幅も広がり、マイナンバーカードとの連携によりさらに簡単に手続きできるようになっています。
確定申告は経験がないと難しそうに感じるかもしれませんが、本来年末調整でできる程度の控除の追加はとても簡単です。
会社から交付された源泉徴収票と、追加する控除証明書があれば簡単に行うことができます。