ー この記事を書いた人 ー
ファイナンシャルプランナー 塚越菜々子

塚越 菜々子 「FPナナコの部屋」主宰

保険や金融商品を売らないファイナンシャルプランナー。日本FP協会認定CFP®。「働く女性のお金の不安を解消したい」思いで、主に共働き女性に公的制度や家計・投資などお金の話を伝えています。

家計を管理する

【相談事例】おひとりさまの独身女性で老後が心配。老後資金はどれくらい必要でしょうか?

「わたしはずっと独身だし今さら結婚もしないと思うから、頼る子供もいない。とにかく老後のことが心配。いくら貯めておけばいい?」「教育費や老後の心配をする夫婦と気を付けることはどう違う?」

普段は共働き家計専門の相談をお受けしていますがですが、このようなお悩みを持った「おひとりさま女性」からご相談を受けましたので、ご相談内容と対策案をご紹介いたします。

このままずっと独身で老後は大丈夫?

ママ美
51歳独身で薬剤師としてずっと働いていますが、老後が不安なんです・・・
ナナコ
「おひとりさま」はお金がかかるような情報が多くて不安になりますよね。
【基本情報】
51歳女性 独身(結婚予定はなし)
薬剤師 勤続年数28年
年収600万円
賃貸アパート

今住んでいるアパートが建て替えのために住み替えが必要になり、老後を考えるうえで「持ち家」を持つ方がいいのか、それともこのまま賃貸でいいのかお悩みがありました。

また、自分の老後とこれからの働き方についても老後資金と合わせて考えたいとのことでした。

独身なら家を買うべき?

ママ美
独身だとアパートが借りられなくなるって聞くのも心配で・・・
ナナコ
確かに高齢者の一人暮らしを避けたがる賃貸も多いのは事実のようです。でも、だからって「家を買った方がいい」かは別問題ですね。

独身の一人暮らしが賃貸を契約しにくくなる理由は主に、

  • 家賃の滞納問題
  • 保証人の問題
  • 孤独死などの問題

などが大きいと言われています。

家賃の問題は貯金があれば支払うことができますが、残念ながら、保証人を引き受けてくれる家族がいない場合は確かに保証人を見つけにくく契約がしにくいということはありますね。

そんな場合の対策として、まずは「保証人」ではなく「賃貸保証会社を利用する」ことで契約できる物件や、数は少ないですが高齢者向けの賃貸などありますので確認してみましょう。

お母さまが独居で暮らしている実家をどうするかも決まっていませんので、「老後は賃貸に住めないかもしれない」という不確かな状態で、住宅を慌てて購入する必要はありません。

「借りられないリスク」と「今すぐ家を購入するリスク」それぞれの場合のメリットやデメリットなどを一つずつ書き出してみて、どちらがより良いか判断してみるといいですね。

いずれにしても、まだ働ける期間が10年以上ありますので、今回の引っ越しまでに慌てて決めるよりは、まずは「老後の暮らし」をイメージしながら次の賃貸を探してみる方がよさそうです。

年金はいくらもらえる?

ママ美
老後の収入がどれくらいになるのか全くイメージがつかないんですが・・・
ナナコ
年金制度はわかりづらいですものね。持ってきていただいた「ねんきん定期便」を見てみましょう。

ねんきん定期便(例)

(実際にお持ちいただいたものを簡略化しています)

50歳以上の方の「ねんきん定期便」は年金の受取額の試算が記載されています。
この場合は65歳から、国民年金と厚生年金の合計の186万円が毎年受け取ることができる計算になりますね。

ひと月当たり15.5万円ほどです。ただし、実際に支給されるのは2カ月に一度で、支給額から税金や公的保険(健康保険や介護保険)などが差し引かれますので、これより少なくなります。1割ぐらいは少なくなるイメージを持っておくと良いでしょう。

ママ美
なるほど!これに民間の保険で契約している個人年金が15年間もらえるので、それが老後の収入ですね。
ナナコ
はい。ただし、この金額は今のままの働き方だった場合の「見込み」ですので、働き方を変えると数字が変わることがありますので気を付けてくださいね。

また、公的年金は受け取りを遅らせる「繰り下げ」という手続きを行うことで、受取額を増やすことができます。5年間後ろに遅らせる場合は最大で142%増えた「年間264万円(186万×142%)」を死ぬまで受け取ることができます。

いくらぐらい貯めておけばいいい?

ママ美
老後に入ってくるお金はわかりましたが、定年までにいくらあればいいですか?
ナナコ
今の支出の大きさが続くと仮定して試算してみましょう。

ざっくりとした計算ですがこのようになりました。
支出については、今の暮らしの支出から老後は必要なくなるものを差し引いた額で計算しています。

60歳で定年退職するとなると、4300万円ほどの金額が最低は必要になりそうです。この金額には車などの買い替えや、老人ホームへ入所する場合の入所金、また親御さんの介護費用などは含まれていません。あくまで生活にかかるお金のみでの試算です。

ママ美
4,300万円!すごい金額ですね・・・
ナナコ
確かに金額は大きく感じると思います。でもこれ全部を今から貯めるわけではなく、すでにある貯金や退職金も含めて考えてくださいね。

とはいえ、ご相談者様はこれまでの貯蓄が2,000万円以上ありました。さらに退職金制度がある会社にお勤めなので、退職金についても調べていただくことになっています。

ママ美
なるほど~!こうやって考えていけばいいんですね!
ナナコ
そうですね!細かい数字は反映していませんが、手元にある数字から見ていくと、漠然とした不安は解消されていきますね。

試算するための情報を集め、対策案を考えましょう!

今回のご相談者様は、簡単な家計簿を付けており、一か月の支出がおおよそ分かっていました。保険なども含めて支払いの内容が見えていたため、すぐに試算することができました。

試算するためには「家計の支出」「暮らしにかかるお金」「老後収入の見込み額」が必要です。これらが手元にそろっていれば、それほど必要資金の大まかな算出は難しくありません。

ナナコ
このデータをどうやって揃えたらいいかわからない場合は、そこの部分からサポートしていきます。

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