ー この記事を書いた人 ー
ファイナンシャルプランナー 塚越菜々子

塚越 菜々子 「FPナナコの部屋」主宰

保険や金融商品を売らないファイナンシャルプランナー。日本FP協会認定CFP®。「働く女性のお金の不安を解消したい」思いで、主に共働き女性に公的制度や家計・投資などお金の話を伝えています。

子どもに関するお金

教育費を用意する色々な方法のメリット・デメリット

教育費を貯めなければいけないことはわかっている。
でも具体的な教育費のため方が知りたいというママは多いのではないでしょうか。

貯めたい金額はおおよそ分かった。月にいくらねん出するかもおおよそわかった。それくらいは何とかしたいと思っている。

ママ美
でもじゃあどこにお金を積めばいいの?

 

ナナコ
いろいろな方法があるので、それぞれ見てみましょう

 

教育費といえば「学資保険」

子供が生まれたら(もしくは妊娠がわかったら)加入できる保険の代表格、学資保険。
一度は聞いたことがあるでしょうし、多くの方は検討したことがあると思います。

学資保険のメリット

保険のいいところは、先取りに近く「強制感」があるところです。
また、10年~15年以上積み立てるので、積み立てた金額以上に戻ってくるのが魅力です。
契約者(親)に万が一のことがあった場合でも、掛け金を払わずに学資に充てるお金がもらえる(払い込み免除)がついているのもメリットですね。

今はあまり加入している人は見かけませんが、保障がついているもの(病気やけがで保険が下りるもの)がオプションでついてくると、積み立てた中からその保障に対する部分にお金が使われて、元本割れするという商品もあります。気をつけましょうね。

学資保険のデメリット

保険のデメリットは、払いきれない場合はほぼ確実に元本割れすることです。

そのため、お金に余裕がある人以外は、学費全部を学資保険で用意しようとするのはあまりお勧めしていません。
『貯められない性格だら保険で貯金』というようにおっしゃる方も多いですが、学資保険は定められた時期(17歳や18歳)まで下すことができないので、想定外に早く学費が必要になったときに対応するのが難しいからです。

また、子供が生まれてパパの死亡保障を見直し増やしたにもかかわらずさらに払込免除を目的に学資保険にしているのだったらもったいないかもしれません。増やした死亡保障に「子どもが進学できるように」ことも考えているのだとしたら、二重になってはいませんか?

 

学資保険と並んで勧められる「(低解約返戻金型)終身保険」

最近は、学資保険を検討しようとして相談すると「終身保険」を勧められることも多くなっています。
(さらに変額だったり、ドル建てを勧められることもありますね)

この保険は基本は死亡保障ですが、保険の中にお金が積み立てられていくので、必要な時に解約して『保険の中に貯まっていた分(解約返戻金)返してもらうことができる』という趣旨で勧められます。

終身保険のメリット

終身保険のメリットは、学資保険と違って17歳・18歳などと「満期」が決まっていないところ。

学費に使わなければそのまま置いておくこともできるし、例えば結婚費用などで必要な時に一部解約して現金に換えることができるということです。
もちろん必要がなくなれば全部解約することもできますね。
長く置いておけばその分増えていくというメリットもあります。

終身保険のデメリット

デメリットは、払い込みが終了するまでの間(もしくはもっと長い期間)に解約すると払込金額を割り込む(元本割れする)ということです。

学資保険と同じく、決まった時まで確実に払えないとダメージが大きいです。
途中で必要になったからと言って解約すると積み立てた分より少ない額しかもらえないことがほとんどです。

ある一定の時期まで待てば増える可能性があるものの、損をする期間が長く『固定的』であるのがデメリットといえるでしょう。

 

普通の積み立て

教育費用にしてある銀行口座や、子供名義の口座などに定額を積んでいくという方法ももちろんあります。それも立派な準備の仕方です。
子供手当やお祝い金などを、子供ごとの銀行口座に入れているというかたも多くいらっしゃいます。子供手当をそっくりそのまま手を付けず積んでいけば、それだけで200万円近くよういすることができますから、コツコツつみたてるのもけっして悪くありません。

積立のメリット

積立は用途が限定されていないので、何か困ったときには積み立てを一度やめたり、教育費以外の別のことに使えるというメリットがあります。
貯めるのも使うのも、自由度・流動性が高い用意の仕方ですね。

積立のデメリット

定期積金・積立定期・定額貯金のほかに、給与天引きからする財形貯蓄など、積立といっても色々な方法がありますが、どれも元本保証のものが多いため預けた以上に増えるということは期待できません。長期にわたって積み立てることができるなら、もったいないと思う方もいるかもしれませんね。

 

投資信託などの運用

保険にかけすぎるのは心配。でも普通の積み立てではほとんど増えない。では教育費を資産運用するのはどうだろうか、と考える方もいらっしゃると思います。資産運用も色々な方法がありますが、定額を積んでいくという意味で「投資信託で教育費を準備」についてはどうでしょうか。

投資信託のメリット

保険ほど元本割れ期間が固定しているわけではなく、ただの積み立てよりは増える可能性があるのが投資信託のメリットです。
生まれたときすぐに始めれば15~18年はあるので、それなりに長期運用をすることができます。
リスクを取りすぎなければ効率よく増やすことができるかもしれません。

投資信託のデメリット

投資信託で教育費をつくるデメリットは、何といっても「元本保証がない」ということに尽きるのではないでしょうか。
投資信託に限らず、資産運用はどれも同じですね。
手数料がかかることを考慮する必要があったり、使いたいと思うときに価値が下がっているなどのリスクもあります。
それを当てにせずとりあえず出しておけるお金がある、支出を予測して利益確定して現金に換えておくなどメンテナンスができないのなら、無理に手を付けない方がいいでしょう。

 

自分の家計にあった方法を組み合わせることがおすすめ

月に1万円普通の貯められると17年で204万円。
児童手当(子供手当)を積み立てておけば16歳までで210万円。
さらに学資保険の満期保険金が200万円。

これができれば、614万円の教育費が用意できます。

 

 

子供に大学まで進学してほしい。
そのお金を払ってあげたい。
そういう想いがあれば、共働きだとしたら決して難しいことではありません。

「教育費がかかる」「そんなに用意できない」と思考を止めてしまうのではなく『今の家計でできることは何か』『教育費をまず貯めよう』と考えるようにすれば、10年以上の長い年月を味方につけて、準備することができます。

いくつかの方法を組みあわせて準備していくことで、それぞれの方法のデメリットを補い合うことができます。

どの方法が一番いい、というものではありません。
それぞれのご家庭でより良い組み合わせで準備していただけたらいいと思います。

『うちの場合は?』が気になる場合は、ご相談ください。

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