子供が生まれると、お祝いやお年玉などをいただく機会があると思います。
最近は本人たちがまだ小さく、自分がお金を使えないうちからまとまったお金をもらうこともありますね。
そして、その置き場に悩んでいるという話もよく聞きます。
また、子供手当などを教育資金に充てるために積み立てるとき子供名義の方がいいか悩むというご相談も多いです。
子供名義の通帳を作ったほうがいいのか?
それとも子供名義にはせず、親の通帳に貯めればいいのか?
それぞれのメリット・デメリットについてよくご質問をいただきます。
そこで今日は子供名義の通帳を作るメリットとデメリットについてお話します。
今回は、子供の通帳を作る「目的別」のメリット・デメリットという観点で、整理していきます。
子供名義の通帳を作る目的
子供名義の通帳を創ろうかな、と思うときの理由は大きく分けて3つ。
- 子供の教育費に「使う」ための口座
- 子供が大きくなったとき「あげる」ための口座
- 子供が自分のお金を管理するための口座
この程度ではないかなと思います。
もしかしたら、
1と2は混ざっていて「残ったら結婚のときにでもあげようかな」と考えているかもしれませんね。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1:子供の教育費に「使う」ための口座
お金は子供のための1000円でも、自分のための1000円でも同じです。
さらに言うなら、宝くじで当たった100万円も、汗水たらして働いて稼いだ100万円も同じです。
汗水たらして稼いだ100万円のほうが『良い100万円』なんてことはありませんね。
ま、それはさておき、お金には色がついているわけではなく用途が限られているわけでもありません。
1000円はあくまで1000円。それが大前提です。
では、ちょっと想像してみてください。
会社の休憩室のテーブル。
「バレンタインデーなので男性の皆様どうぞ」
と書かれてあるチョコレートがおいてあったら、たとえ誰も見ていなくとも女性陣は取りにくいですよね(笑)
「●●さんへ」
とかいてあったら、それに手を付けるのはかなり勇気がいるので、普通は手を付けないでしょう。
お金も同じで、名前を付けておくことで使いにくくなる効果があります。
それが「子供の名義にしておく」ということです。
自分の名義の通帳に入っているより、子供の名義の通帳に入っている方が格段に手を付けにくい心理が働きます。
手を付けずに貯めたければ、お年玉や児童手当・お祝いなどは子供がもらったものとして、子供名義に入れてしまうというのも一つの手ですね。
(児童手当は子供がもらったものかと言われると「?」という部分はありますけどね)

2:子供が大きくなったとき「あげる」ための口座
就職のとき・結婚のとき・子供が住宅を購入するとき、などにお金を「あげる」ために貯めておく。
応援の気持ちを込めて渡してあげることは素敵ですね。
もしかしたら自分もそうやって親からもらったのかもしれません。
子供名義にしておけば「はいドーゾ」って通帳渡せば済むんじゃない?と思って口座開設するケースもあるかもしれません。
実はこれが一番ややこしいケース。
(教育費の残りを渡すケースもこれに該当します)
お金をあげるというのは、本来「贈与」ということになります。
※仕送りなど生活のために渡すのは違います。
子供の名義の通帳であっても、通帳と印鑑を親が持ち子供がそれを使えない状態の場合、その口座(お金)は「親のもの」とみなされるのですね。
よくお金持ちが、相続税対策で親のお金を子供名義の口座に入れておくなんて話もありますが、それも税務署的には『名義預金』などと言われて、子供の名義でも親のものとみなされるというわけですね。
(本当に税金対策する必要があるなら上手にやる必要があります)
子供名義の預金でも、実際は親のもの。
それを子供に通帳・印鑑を渡したときに『贈与した』ということになります。
その額が年間110万円を超えると、贈与税というのが課せられる決まりです。
ちょっと小難しい話になりましたが、
大きなお金をまとめて子供に渡そうと考えている場合は名義に関わらず、贈与について十分に考えたうえで、「渡し方」「渡す時期」を検討する必要があります。

3:子供が自分のお金を管理するための口座
前回の二つとは大きく異なる利用目的がこちらです。
子供が自分のお金を管理するために通帳を持つ場合です。
子供がある程度大きくなったら本人がお金を管理する練習というのはとても大事だと思います。
お金の授業がほぼない現状、たとえば銀行がどんなところなのか教えなければ知らないまま大人になってしまうかもしれません。
銀行にお金を預けることってどういうことだか知っていますか?
普通口座と総合口座、カードと通帳と印鑑の関係。お金をどこで下ろせて預けることができるのか。盗まれたらどうなるのか。
いつの間にかアルバイトをする年頃になって訳も分からないまま「なんとなく」使ってしまうと、それが当たり前になってしまいます。
それって怖いですよね。
自分の口座はいつ頃持ったか覚えていますか?
私はあんまり記憶が定かでないですが、小学校入学してすぐゆうちょ銀行を作らされた記憶があります。
(「ぱるる」ってヤツ。通帳が縦のアレね)
それは使った記憶がありませんが、今あるゆうちょ銀行の通帳はもしかしてそれが生き延びて変わったやつなのかもしれません(笑)
自分で管理しだしたのは、中学に入ってからです。
お年玉の一部を入れてましたが、ここから使った記憶ってあまりありませんね。
私のことはさておき、
これから子供に管理させるつもりで子供名義にするのなら、開設して渡してやるのではなく開設の手続きも本人とともにやる方がおすすめです。
それができないほど小さいうちは、必ずしも子供に管理させる用の口座を、前もって作る必要はないのではないでしょうか。
番外編:塚越家の場合
ここまでアレコレとデメリットを語ってきたうえですが、塚越家は子供名義の通帳作っております。
児童手当を分別管理したかったので、生まれて比較的すぐに開設しました。
抱っこ紐に入れて、健康保険証をもって窓口で開設。
児童手当とお年玉等のお祝い金を入金しています。
そのほかの教育費に関する貯金は、親名義で分別管理しています。
塚越家はちょっと特殊な分類になっておりますので、教育費専用口座はなくメモというアナログ管理です(笑)
子供名義の通帳に入っていくお金は、基本的に教育費で使い切る予定です。
少々ぐらいなら残す可能性はありますが。
そもそも、大きくなっても子供にお金をあげる予定はありません。
(結婚のときに余裕があれば渡してもいいですが)
なんでお金あげなきゃならんねん、自分で稼げー!って思っとります(笑)
まとまったお金がどうしても必要なら、私に交渉の上で貸付です。
子供名義の口座は、口座開設とともにネットバンクの手続きをしました。
資金移動はこれで自宅でできるので、窓口に行く必要はありません。
→よって本人確認うんぬんは心配ありません
印鑑もそれぞれの口座用に新しく作り、通帳専用の銀行印にしてあります。
(子供二人いますが、それぞれあります)
ちなみに、もし多少残高が残って(贈与にならない程度)通帳ごと渡してもいいように印鑑は「下の名前」で作りました。
結婚して苗字が変わっても下の名前は変わらないので、「もしよろしければそのままつかえますよ」という気持ちです^^
可愛くてお気に入り♪
子供がもう少し大きくなったら別の銀行で口座開設をしてもらって、自分のお金はそっちで管理してもらうつもりでいます。
これはあくまで「我が家」の例。
それぞれの家庭によって適したやり方があると思います。どのやり方をとっても、メリットデメリットあります。
ご自分の家庭に合ったやり方で、ご自分が納得していれば、どの方法をとっても問題ありません。
子供名義の通帳を作る上での注意点
名義はあくまで”子供”
子供名義の口座を開設するには、子供本人が行く必要があります。
(一部ネットバンクなどは子供名義は作れない場合もあります)
生まれてすぐ作る場合は比較的簡単ですが(赤んぼだから、本人確認の仕様がないですしね)子供が小学生など大きくなってくるとかえって面倒かもしれません。
また、口座が犯罪に使われることを防ぐために、お金を窓口等で動かす場合は、基本的に本人(子供)が手続きする必要があります。
例えば、貯めてきたお金を大学に納入するために払いだそうとしたら「本人つれてこい」と言われてしまう。それがどうか?というのがポイントですね。
そして子供が成人したら、基本的には本人しか手続きできなくなります。
親が代わりに手続きする場合は「委任状」などが必要になったりして、こちらもまた面倒くさいものです。
お金がそこにあることを子供に知られたくないなら、子供名義はやめておく方がいいのかもしれません。
解約か譲渡か、通帳の”行き先”を意識すること
どの用途に関しても言えることですが、
「通帳(口座)そのものを子供に渡すのか」
「用途が済んだら解約するのか」
は意識したいところです。
親が子供に通帳の存在を知らせず持っている場合、子供が改めてその銀行で口座を開設しようとすると「すでにお持ちですよね?」という状況が発生します。
また、子供名義の通帳の印鑑と親が使っている銀行印を同じにするのはお勧めしません。
通帳を親の管理下から出さず必ず解約を前提としているならこの限りではありませんが、なにかと混乱の元です。
銀行に行って印鑑が違って出直すというのは、かなり面倒なものですよね(^_^;)
もし結婚などの時に通帳を渡す場合、改印の手続きなども煩雑になります。
そもそもそれほど頻繁に使わない銀行印。
いざというときに「あれ?親のと同じ印鑑だったっけ?」という騒ぎになったら、子供名義であることで非常に面倒くさい思いをするのは目に見えていますね。
人の記憶なんて曖昧なものです。「基本、覚えていられない」と思いましょう(笑)
まとめ
1:子供の教育費のための口座
メリット:
手を付けにくくなる効果が高い
デメリット:
手続きに本人が出向かなければいけない可能性が高い
2:子供が大きくなったとき「あげる」ための口座
メリット:
手を付けにくくなる効果が高い
あげる時に名義変更やお金の移動をしなくて済む
デメリット:
渡す金額とタイミングによっては「贈与税」がかかる可能性あり。
3:子供が自分のお金を管理するための口座
メリット:
金銭教育の一端となる
デメリット:
本人が分からないうちに作ってもあまり意味がない
以上のことを踏まえて、
子供名義の通帳は、
- どのように使うのか
- いつ手放すのか
- どの程度の使い方をするのか
よくメリット・デメリットを考えたうえで、ご家庭に合った形で開設したいですね。

子ども名義の口座についてはこちらの動画でもご案内しています。
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