会社に内緒でほかのところでアルバイトをしているなどのダブルワーカーさんは、年末調整の時期になるとちょっとドキドキしますね。
会社の年末調整の担当者は、この時期を『祭り』などといって殺気立っていますので(笑)色々と細かいことを聞きにくかったりするかもしれません。
ルール上はダブルワークが禁止でなかったとしても、あまり大っぴらに言いたくないということも多いかもしれません。
この記事では「年末調整でダブルワークはバレるのか」という問題と「ダブルワークの場合年末調整はどうしたらいいか」について解説します。
マイナンバーで副業がバレるかどうか
マイナンバーが始まったとき、何が大騒ぎって
「会社に内緒の副業がばれるのでは!?」
ってことでした。
いろいろ問い合わせがありました。
端的に申し上げます。
マイナンバーでばれるわけではありません。
まず、そもそも「ダブルワークの場合」会社に申告する必要があります。
「従たる給与」のところでも話しましたが、サブの給料ほうは本来「メインの方途は別の計算方法」で税金を給料天引きされなければいけないというルールがあるのでしたね。
そのために会社は「自社の従業員はうちがメインかどうか」を把握したいのです。
とはいえ、本人が申し出なければ会社側には特に追及する義務はないので、特に確認されないことの方が多いですね。
派遣会社など「ダブルワークがよくある」業種の場合は、入社時点で確認されていることでしょう。
原則として、(給与の)副業は申告しましょう。
※ここでいうところの副業は『雇われて給与をもらって働くということ』です。副業で起業(個人事業)をやっているのはまた別問題です。
副業の場合は、会社に副業ということを申し出て「サブの税金の計算方法」をしてもらうのがルールです。
だけど、そうもいかない事情がいろいろあって、みなさんナイショの副業をしていることが多いですね。
実は、副業の全面禁止は法律的には認められてません。
NO!と言えるのは
- 本業に差し支える
- 情報流出の可能性がある
- 反社会勢力と関係がある
本来はそういう場合のみなんですね。
初めからやっちゃいけない、と決めてあるというよりは「届け出てね」的な規則で定まっているところもあります。
今まで、厚生労働省がモデルケース(参考にしてね!という)就業規則は、原則として副業を禁止する「専念義務」のような文言がありました。会社に特にポリシーがなくても、それを使っているとルール上は禁止されている、ということは多くありました。
そのモデルの就業規則が変わり「原則副業OK」になるなど、色々な方面で解禁が進んできたり(公務員も一部認められるなど)しています。
ただ、「うちの会社は古い体質だから絶対無理!」という企業もまだまだありますね。今後は解禁の方に向かっていくはずですけれど。
でもね、そうはいっても、
- 会社風土として認められない
- 同僚に何か言われそう
- お金がないとか思われたくない
そういう・・・・いろいろありますよね。
その辺については、私がとやかく言う筋合いではないので省略します。
ちょっと話がそれましたが、つまりナイショで副業していても、マイナンバー制度で会社に連絡が行っちゃうとかそういうことではないのです。
マイナンバーは以前も書いた通りいくら役所といえど、好き勝手に使えるものではありませんので。
(ちなみに、自分のマイナンバーが使われたかどうかは「マイナポータル」という総務省のサイトで登録して確認することができます)
副業がバレる可能性が高いのは「本人の言動」と「住民税」から
内緒で副業をしている人はばれることを恐れていることが多いですが、副業がばれるパターンはそういう「何か」経由ではなく、本人の言動からバレるケースがほとんど。
うっかり口が滑った。
副業を見られた。
副業を知っている同僚がばらした
などですね。
(壁に耳あり障子に目あり、と昔の人は言ったものです)
外からの情報でばれる可能性が一番あるのは「住民税」の情報です。
メインの会社は年末調整を終えると、年明け1月に
「我がラッキー商事はAさんに今年○○万円の給料を払いました」
と、税務署と、Aさんが住んでいる市町村にデータを送ります。
(ここにAさんのマイナンバーを付けて送ります)
ダブルワーク先でも
「我が株式会社アップルはAさんに今年○○万円の給料を払いました」
と、税務署とAさんが住んでいる市町村にデータを送ります。
(ここにもAさんのマイナンバーを付けて送ります)
そして、Aさんの市町村は
「ふむふむ。(マイナンバー●●番の)Aさんはラッキー商事と株式会社アップルで合わせて○○万円働いたのか。
じゃあ合計すると住民税は▲▲円だから、メイン職場のラッキー商事の給料から引いて納めてもらおう」
と、ラッキー商事にその明細を送ります。
ここに、両方の金額が合算されて載ってきます。
(副業の収入が給料出ない場合はこの限りではありません)
この紙、「特別徴収税額通知書」という名前です。
横に細長い紙です。6月ぐらいに会社に届きます。
ばれるとしたら、ここですね。
今までは、住民税は給料天引きではなく自分で納める方式もできました。
(自分で納める方式を「普通徴収」といいます)
が、2年ほど前から、市町村が住民税のとりっぱぐれをなくすために全部の会社が原則、特別徴収(給料天引き制度)にかわりました。
特別徴収だからといって、必ずばれるわけではありませんが。
(このお話は今回の流れからは外れるので、今日はしませんが)
やはり、可能性が高いのは、ココだと思います。
【余談】
マイナンバーで騒いだのは、主に夜のご商売で副業をしている方が多かったようです。
夜の商売を経営している一部のモラルのない人たちは、(もちろん水商売がばれたくないという従業員の意図もあってでしょうが)市町村に正しく報告をしていなかったり、偽名で報告したりしていました。
しかしマイナンバーという「公的に一人一つの番号制度」ができてしまうと、これができなくなるんですね。マイナンバーを提出すれば、偽名だなんてわかってしまうわけですから。
これが火種となって「マイナンバーで副業がばれる」と飛び火した可能性が高いように思います。
まとめ
マイナンバー制度ができたから副業がばれるわけではない。
たいがいは「壁に耳あり障子に目あり」で。
住民税の金額がばれやすい項目ではある。
副業に関しては、私が言えるのは「ちゃんと確定申告して税金は納めよう」
本当に禁止されているなら、ばれて会社をクビになるリスクを考えて副業しよう。
ということですね。