ダブルワークさん必見
 ー この記事を書いた人 ー
ファイナンシャルプランナー 塚越菜々子

塚越 菜々子 「FPナナコの部屋」主宰

保険や金融商品を売らないファイナンシャルプランナー。日本FP協会認定CFP®。「働く女性のお金の不安を解消したい」思いで、主に共働き女性に公的制度や家計・投資などお金の話を伝えています。

年末調整

2か所以上のダブルワーク必見。「従たる給与」とは?

二か所以上で働き、給与をもらっていることはよくあります。副業解禁が相次ぎ、メインの会社のほかに副業としてパート・アルバイトするという働き方も今後はますます増えてくるかもしれません。

税金のルール上は「メインの職場」「サブの職場」での取り扱いが違ってきます。
会社の経理や総務などの人が丁寧に聞き出して説明してくれるということはほとんどありませんので、2か所以上で働く場合はどうなるのかを必ず自分で把握しておきましょう。

スケジュールの問題以外でややこしくなるのは「年末調整」や「確定申告」のとき。
自分がダブルワークをしていて、年末調整を迎えたときはこんなことに気を付けましょう。

右上の「従たる給与・・・」の項目とは

年末調整の「扶養控除申告書」の紙の説明です。

全員が記入していただく場所の右側に、実は謎の項目があります。

その名も
「従たる給与についての扶養控除申告書等の提出」
提出している方は〇をつけてください。

と書いている欄です。

私は10年以上税理士事務所に勤務して数々の会社の年末調整を手伝っていましたが、こに丸をつけた方を見たことがありません。
(普通はつけませんね)

そもそも「従たる給与」とはなんだ

2か所以上で働く場合、メインとその他に分かれます。
給料や日数が多い方がメインですね。
同じぐらいの場合はどちらか一方をメインと決めましょう。

メインのほうを「主たる(しゅたる)給与」
サブのほうを「従たる(じゅうたる)給与」と言います。

(これは受け取るお金の両方が「給与」の場合です。一方が個人事業(起業・業務委託など)の場合はそれは給料ではありませんので、どんなに事業が売上が多くても、常に雇われている方が「主たる給与」です。)

年末調整の紙は、主たる給与(メイン)にだけ提出することができます。
メイン以外では年末調整を受けることができないので、当然この紙は提出しません。

本来は、採用されて働きだすときにもその年分のこの紙を渡されるはずですが、省略されてしまっていることも多いです。(内容は履歴書で判断するなど)
※そもそもは、次の年末用に提出しておき、変更があったら都度記入するものなのです

ダブルワークでサブの会社にもかかわらず、年末調整の用紙を渡されたら、「別のところがメインなので、こちらは従たる給与で(サブで)お願いします」と自ら言っておかなければなりません。

・・・・が、知らない人が多数。
(経理担当者でも知らない人もいます)

諸事情によって言わない人が多数。(バレたくないとか)

すると、結局2か所で年末調整してしまうことになります。

二か所で年末調整するとどうなってしまうのか

どちらの会社のデータも税務署に送られるので「こいつ2か所で年末調整してるな」とはバレます。
でも、ちゃんと確定申告等して税金などに過不足なく処理されていれば、(今のところ)おとがめなしのことがほとんどですね。

本来納めるべき税金が払われていなければ、脱税になってしまいます。

メインとサブで何か取り扱いに違いはあるのか?

従たる給与(サブ)の源泉所得税(覚えてますか?見込みで引かれる天引きの所得税)はメインのほうで引かれる所得税と計算方法が違います。
本来はサブのほうはメインに比べて多く引かれる決まりです。

例)
メインのほうで10万の給料だった場合⇒源泉所得税は720円引かれます
サブのほうで10万の給料だった場合 ⇒源泉所得税は3600円引かれます

(※社会保険料などを払っている場合はそれを引いた後の金額で見ます)

下記の月額表に基づいて算出します。
(国税庁 源泉徴収月額表より参照)

メインの人は扶養の人数に応じて「甲欄(こうらん)」を見て給料から天引きし、サブの人の場合は「乙欄(おつらん)」を見て天引きします。
なので、サブの人のことを「●●さんは乙(おつ)だよ」とか言ったりします。

ナナコ
ダブルワークをしていて、給料が少ないわりにやけに税金が高かったら「乙欄」でサブの給料扱いされているということですね

で、じゃあこの欄は〇をつけるの?

さあ大変な寄り道をしましたが、本来、従たる給与(サブ)には提出しないこの紙ですが、特別にサブに提出する用の用紙があります。

それが、
「従たる給与についての扶養控除申告書等の提出」
似たような名前ですが、別の特殊な様式です。

上でも書いた通り、10年やっていて見たことありません。
普通はそもそもサブのほうには提出しないわけですから、あえて特別な用紙をサブの方に出している人だけが関係してきます。

つまり、〇はつけなくてよい。

まとめ。

ダブルワークさんでも、「こちらがサブの職場です」というような、特別な用紙を特別に出したことがなければ、
この項目は、無視でオッケー!ってことです。

FPナナコの「お金のメルマガ」ご登録特典

働く女性の笑顔で貯まる15の習慣無料プレゼント!

働く女性のお金の不安を解消!
FPナナコの「お金のメルマガ」
ご登録者全員に「貯まる15の習慣」をプレゼント。
貯まる仕組みを創り出す
7日間のレッスンと共にお届けします。

詳しくはコチラ

-年末調整